菓子市場に停滞感 牽引車不在で目新しさ欠く 減収傾向強まる上場大手

菓子市場は厳しい市場環境となっている。ここ数年は、チョコレートやグラノーラなど高成長を遂げるカテゴリーが全体を牽引してきたが、それも一巡し、目新しさを欠いている。一方で、カルビーと湖池屋が値上げを発表するなど価格是正の動きも見られる。物流費、包装資材費、人件費などのコストアップは、どのカテゴリーにも一様にのしかかっている大きな課題である。

菓子上場大手の19年3月期第3四半期決算を見ると、明治は連結では増収増益ペースだったが、菓子事業は昨年4月からの取引制度見直しによる販売価格の変更やチョコレートの減収により大幅に下回った。チョコレートの減少幅は縮小したとはいえ2ケタマイナス(10.6%減)の状況。営業利益も減収影響で減益となった。

江崎グリコの菓子・食品事業は売上高3.4%減。ビスコや神戸ローストショコラ、ホーバルなどが貢献したが、主力のポッキー・プリッツがマイナスし、利益面でも減益となった。

森永製菓の菓子食品部門は0.6%の減収。チョコボール、ミルクキャラメル、森永ビスケット、おっとっとが前年を上回ったものの、ハイカカオ市場の一巡により需要が停滞したカレ・ド・ショコラや、プリングルスが前年の売上げ拡大の反動影響でマイナスとなった。

新潟最大手ブルボンは菓子事業が0.5%増と微増収を確保。ビスケットでは濃厚チョコブラウニーが好調に推移し、キャンデーではミネラル塩飴が大幅伸長、チョコは既存品が伸び悩んだが、小箱チョコ商品群、ファミリーサイズ商品群などが順調に推移し、全体で前年並みを確保した。会社全体の営業利益は0.2%減と微減。

菓子最大手のカルビーは、馬鈴薯不足影響の昨年同期に対し、累計ベースではポテトチップスの需要増により増収増益で推移した。第3四半期だけを見ると減収だが、海外スナック・海外フルグラ拡大によりベーカリー子会社売却影響を除くと増収となった。利益面については物流費・原材料費の悪化などのコスト上昇を吸収しきれず減益となった。

米菓では、最大手亀田製菓が連結売上高0.4%増と前年実績をクリアし、国内米菓事業も売上高0.6%増、営業利益18%増と増収増益を確保した。一方、岩塚製菓は売上高2.7%減、営業利益32.5%減と逆境に立たされている。

不二家の18年12月期連結売上高は0.6%減と微減だったが、営業利益は14.1%増と増益を達成した。製菓事業のうち菓子部門は2.8%増と伸長している。

湖池屋の19年6月期第2四半期連結売上高は国内スナック事業の大幅な拡大などにより11.3%増と好調に推移した。損益面も営業損失から営業利益2億6千9百万円まで回復している。

以上のように、上場企業の菓子食品部門の動向を見ると、一部で前年を維持または上回っているが、多くの企業が減収減益を強いられており、特に昨年下期に入ってから物流費や人件費などのコストアップが響き、減益傾向が強まっている様子がうかがえる。