PETコーヒー 続伸か鈍化か、見方二分 好材料はホットと新商品

サントリー食品インターナショナルの「クラフトボス」シリーズが切り開いたペットボトル(PET)コーヒー市場は18年、同社調べによると前年比約1.7倍の6千800万ケースに拡大。同社は20年に1億ケースに到達すると見込んでいるが、昨秋から水・お茶からの流入が細り鈍化傾向にあると見る向きもあり「続伸か鈍化か」の見極めが難しい局面に差し掛かっている。

PETコーヒー市場の今後を占う判断材料の1つに昨秋からのホット展開を挙げるのはサントリー食品インターナショナルの大塚匠ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長。14日、都内で囲み取材に応じ「昨年は新商品の淘汰が予想以上に早かったが、ホットで新しいお客さまがつくれたと思っている。それが春先にコールドで戻ってくるかどうかが1つのポイント」と語った。

各社から新商品・リニューアル品が出されることも好材料と指摘。「まだ伸びる市場であるため、ここ2、3年は新商品の増を含めて市場は活性化する」との見方を示した。

刷新した「クラフトボス ブラウン」(サントリー食品インターナショナル)

同社は「クラフトボス ブラウン」を4月23日にリニューアル発売し、3月18日から“飲み比べセット”が当たるキャンペーンを展開している。

今年、満を持してPETコーヒー市場に参入するのはキリンビバレッジの「ファイア ワンデイ ブラック」(600㎖)。4月2日に新発売され、採用状況は上々だという。

同商品は、コーヒー感と飲みやすさを両立させて常温でのおいしさにこだわった無糖ブラックコーヒー。常温の味を追求し、容量はチビダラ飲み需要に応える600㎖にした。

コンセプトづくりを行った上で中味開発に着手したのは17年末。開発を担当したキリンビバレッジの山中進マーケティング本部マーケティング部商品担当主任は「しっかりとコーヒーの嗜好性を出しながらスッキリ飲みやすくした。最初は水っぽいという反応があったので、その反応が出てこないように嗜好性と止渇性のバランスに悩みながら試行錯誤を重ねて作っていった」と振り返った。

アサヒ飲料は「ワンダフルワンダ」シリーズを新たに立ち上げ、4月9日に「同ブラック」(500㎖PET・自販機専用485㎖PET)、5月14日に「同ラテ」(500㎖PET)を新発売する。

アサヒ飲料の河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダーは同シリーズについて「“振るほどに泡、なめらかな味わい”ということでコーヒーを滑らかな味わいで楽しんでいただくのが狙い。他社商品はオンタイム(勤務中)に飲むコーヒーだと思うが、当社はオフタイムにリラックスしてもらえるような商品として提案できないかと考えている」と説明した。

同社は缶容器にも注力。ボトル缶の「ワンダ極」は、「微糖」と「カフェオレ」が「市場に定着しつつある」という。

「タリーズコーヒー」を展開する伊藤園は来期(4月期)、今期以上にボトル缶に傾倒していく方針。伊藤園の星野智信マーケティング本部コーヒー・炭酸ブランドマネジャーは「PETでしかコーヒーを飲まれないお客さまがいるため、PETはブランドとの接点として最小限にはやっていくが、最大限注力すべきはボトル缶だと思っている」と語った。

旗艦商品の「バリスタズブラック」390㎖は、キャップの色を春夏仕様に変更して4月1日にリニューアル発売する。これに先立ちボトル缶第二の柱として3月18日に無糖カフェラテ「バリスタズラテ」(370㎖)を発売し再度注力していく。無糖カフェラテは昨秋、PETの「Smooth LATTE(スムース ラテ)」(500㎖・275㎖)に集中していたが、ボトル缶でも拡充する。

その理由について「お客さまは中味ではなく容器によって分かれているように感じる。ボトル缶の無糖カフェラテユーザーもいるように思うので両方ラインアップする。PETは若年層と女性層、ボトル缶は男性層に支持されているとみている」と述べた。