荒茶生産量 主産県は6%増 温暖な春、生産者に不安広がる

農林水産省はこのほど、平成30年産茶主産地の摘採面積、荒茶生産量などを発表した。摘採面積は3万3千300ha(前年比1%減)、荒茶生産量は8万1千500t(6%増)だった。

全国生産量の7割以上を占める2大産地の摘採面積は、静岡が1万5千100ha(3.3%減)、鹿児島が7千990ha(前年並み)となった。静岡が大きくマイナスしているのは、生産者の高齢化が進む一方、中山間地が多いという条件から、稲ならコンバインに当たる乗用刈取り機が使えないため、放棄茶園が増えていると思われる。鹿児島は平坦地が多く乗用が普及している。

2大産地の荒茶生産量は、静岡が3万3千400tの8%増、鹿児島が2万8千100tの6%増。生産量が大きく伸びたのは、シーズンを通して最も生産量の多い一番茶が、静岡で15%増、鹿児島が11%増となったため。

摘採前の3~4月の平均気温が高く芽の成長が早まり、摘採期間中も天候に恵まれ、早場所の終盤と遅場所の最盛期が重なるなどして茶価の下落も早かった。そのため、生産者は収量を増やして収入を維持しようとしたため、さらに収量が増えたことが原因。

静岡では2割を超える茶価の下落があり、1番茶の影響を受ける2番茶も安いと判断し摘採を行わなかった生産者は多く、2番茶の数量ダウンに伴いシーズンを通した生産量が8%増まで落ちた。他の主産県も同様の動きだったと思われる。

お茶離れに歯止めがかからず、今年度の量販店チャネルは5%程度のマイナスとなる一方、前述したように主産県の数量は6%増で増えている。飲料原料はともかく、急須で飲む茶葉の在庫を生産地は大量に抱え込んでいる。

今年も3月の気温は高めに推移し、桜の開花予想も例年より早い。昨年同様の展開となれば、茶価の暴落は避けられず、生産者は温暖な春に不安を覚えている。