活気づく「睡眠ビジネス」 “良質な眠り”に各社アプローチ 味の素、大塚、ヤクルト、ハウス

4月からの働き方改革関連法案がスタートする中で、個人の自由時間が増える分、労働時間の使い方が重要になっている。起きている時間に効率的なパフォーマンスを発揮するには「睡眠」がカギと言われ、質の良い睡眠に向けて食品業界のアプローチが活況を呈してきた。

日本人の平均的な睡眠時間は7.4時間とされ、先進国の国際比較では韓国の7・7時間と最下位を争っている。5人に1人は睡眠に問題を抱え、40~60代の女性が最も睡眠時間が短いという調査もある。原因の多くが体内リズムの乱れと言われ、4月27日からの大型連休を控え、今年は特にリズムが乱れるのではと予測する向きもある。

医薬品の睡眠改善薬も出回っているが、ここにきて睡眠をサポートする栄養素(グリシン、テアニン、GABAなどのアミノ酸)を含んだサプリメントや機能性食品、ドリンクなどが各社から発売され、注目されている。

味の素社は、長年のアミノ酸研究を生かし、2005年から睡眠をサポートする「グリナ」を発売し、同社の健康基盤食品の中で柱商品に位置付けている。健康経営を推進する一環として「グリナ」による味の素流睡眠改善プログラムも行うことで実睡眠の重要性を啓発している。

ヤクルトヘルスフーズも昨年7月から「ヤクルトのねむりナビ」を新発売し、ドラッグストアなどで存在感を保っている。L―テアニンを機能性関与成分にした粉末タイプのハーブティー風味の機能性表示食品で、就寝前のティータイムの飲用を薦めている。

ハウスウェルネスフーズは、3月4日から睡眠の質の向上に役立つ機能が報告されているGABAを配合した機能性表示食品「ネルノダ」をドリンクと粒タイプで発売。眠りの深さとスッキリした目覚めに役立つサプリメントとして全チャネルで展開している。

睡眠の大切さを知ってもらおうと、昨年8月から久留米大学医学部神経精神医学講座の内村直尚教授が中心となって「目覚め方改革プロジェクト」がスタートし、睡眠に対する認知を高める情報を随時発信している。同プロジェクトは、このほど第2回セミナーを開催し、この中で大塚製薬は、アスパラガス由来の成分が就寝・起床時間のリズムを整え、睡眠の質を高めると報告。アスパラガス由来成分を含む機能性表示食品「賢者の快眠」をアピールした。

ネスレが展開する「睡眠カフェ」
ネスレが展開する「睡眠カフェ」

「睡眠とコーヒー」は、一見相反するものだが、ネスレ日本はこれをコーヒービジネスに生かす。これまで東京・大井町に期間限定でオープンしてきた「ネスカフェ 睡眠カフェ」のフラッグシップ店舗を常時営業にかえ、睡眠カフェが提供するコーヒーナップが体験できるサテライト店を、大井町の飲食店・企業・施設と連携し、今後順次オープン。コーヒーの飲み分けを通じて新しい睡眠スタイルを提案する。

コーヒーナップは15分程度の短い仮眠の前にカフェインを含むコーヒーを飲む仮眠スタイルで、仮眠の前にコーヒーを飲むことで、起きた頃にカフェインでシャキッとし、その後のパフォーマンスに役立つと言われている。

このほか乳業系企業や飲料・調味料系企業なども機能性食品を通して睡眠ビジネスへの参入を計画しており、今後の動向が注目されている。