世界最大級の糀工場 発酵文化を魚沼から世界へ マルコメ

みそ最大手のマルコメは5日、完全子会社である魚沼醸造(新潟県魚沼市)の新工場をオープンした。2015年以降の米糀からつくる甘酒のブームを受けて、17年に魚沼醸造を設立した。新工場は世界最大級の米糀工場で、米糀、糀甘酒などを生産し、旺盛な糀甘酒の需要に対応するほか、情報発信拠点として日本の発酵文化を魚沼から世界へ発信する。

新工場は、敷地面積が4万24.39㎡、延床面積は1万436.57㎡で、構造は鉄骨造り2階建てだ。米糀や糀甘酒を生産し、生産能力は乾燥米麹換算で年間約2千700t。投資額は土地、建物、製造設備を含めて約83億円。越後三山から高低差1千900mを流れ、伏流水となって湧き出る豊かな軟水が同地での工場新設の決め手となった。

青木時男社長(マルコメ)

同所は米糀や糀甘酒の生産だけでなく、発酵食品や魚沼に関する情報発信拠点としての機能も備える。その一環として、一般客を迎えるスペース・魚沼糀サロンを開設し、糀甘酒や糀甘酒ソフトクリームなどを楽しめるカフェ、発酵食品をテーマにしたライブラリー、日常の食生活を豊かにするセレクトショップを配した。

また、48人を収容するシアタールームを併設した。工場見学ルートでは世界最大級の蒸米機や、世界屈指の生産量を実現する円盤型製麹装置などを見学できる。

マルコメは14年3月に米糀から作られたアルコール0%、無加糖の甘酒を発売開始した。同社の継続的な情報発信、また他社の追随もあり、糀甘酒の市場は15年以降、急拡大している。調査会社によれば、17年の甘酒市場は約240億円、前年比で30%以上の増加となった。

一方、近年は記録的な猛暑の影響などから予想以上に伸長し、メーカーは出荷調整を余儀なくされてきた。また、みそも米糀の割合が多い甘口系がトレンドで、米糀の供給体制に課題があった。今回の大型設備投資により米糀、糀甘酒の安定供給を図る。

5日に行われたオープニングセレモニーで、魚沼醸造の代表取締役会長を務めるマルコメの青木時男社長は「安定供給を最優先に、最高の品質のものを届ける場を何とかつくらないといけない。この課題にチャレンジした」とあいさつした。