家庭用油市場 過去最高を更新へ プレミアム化が牽引

家庭用食用油の市場規模は、前期末で約1千380億円。今期12月まで金額5%増で推移しており、通期では過去最高の1千450億円前後での着地が見込まれている(本紙推定)。

カテゴリー別では、最大ボリュームのキャノーラ油は物量・金額とも2~3%程度のマイナスだが、オリーブオイル、アマニ油、こめ油、ごま油などのプレミアムオイルが伸長。市場を牽引した。

オリーブオイルは12月まで金額9.8%増、物量8%増と躍進。原料状況の悪化で、前期は10年ぶりのマイナス成長となったが、今期はスタートから好調。下期にかけて、テレビ番組などでオリーブオイルが取り上げられた追い風もあり、10―12月は前年比20%増と驚異的な伸びを達成。金額ベースの市場規模は400億円に達する見通しで、キャノーラ油を抜いて家庭用油の最大カテゴリーに成長した。

ごま油も安定した動き。調味料用途での利用が広がり、ごま油の市場規模は3年間で約1.3倍に拡大。オリーブオイル、キャノーラ油に続き、年間300億円規模のマーケットが狙えるカテゴリーに育ってきた。

目覚ましい伸びを見せたのが、アマニ油・えごま油。オメガ3脂肪酸の健康性が注目され、ヘビーユーザーが定着。5月には林修氏のテレビ番組で取り上げられたこともあり、今期は前年比4割増と再ブレイク。アマニ油だけで年間80億円規模に達するとの見方もある。

中段のプレミアムオイルでは、米油も安定成長が続く。5年前までは年間10億円程度のサブカテゴリーだったが、米ぬか由来の抗酸化成分を多く含んだ健康機能とおいしさが支持され、市場は50億円規模に拡大。今期も2ケタ増で推移し、揚げ物から生食まで使える万能オイルとして存在感を高めている。

物量ではキャノーラ油が6割程度を占めているが、金額ベースではプレミアムオイルが7割を占めるようになり市場構造は一変。キャノーラ油から、ユニットプライスの高いオリーブオイルやごま油などに販促をシフトする傾向も見られ、1本500円前後でも安定的に売れるようになった。

来期も日清オイリオは二宮和也さん、J―オイルミルズが大野智さんと人気タレントを起用したCMを投入するほか、店頭やSNSでの情報発信も活発化。メーカー各社はプレミアムオイルの拡販に向けた提案活動を強化している。コスト上昇や消費者の節約志向など難しい環境にあるが、付加価値化で得た原資を製品開発やプロモーションに投じ、市場活性化につなげる好循環が生まれつつあり、しばらくは安定成長が続きそうだ。