消費税ポイント還元、小売の主張 真っ二つに 円滑実施へ全国スーパー協が要望書

全国スーパーマーケット協会はこのほど、政府が今年10月の消費税率引き上げ時の景気対策の目玉に位置付けるキャッシュレス決済時のポイント還元について、円滑な実施を求める要望書を世耕弘成経済産業大臣に提出した。中小事業者向けの同事業を「極めて有効な政策」と高く評価する一方、現場で混乱が生じないよう、十分な対策を求めるもの。有力スーパーが加盟する日本チェーンストア協会や日本スーパーマーケット協会は、公正競争確保の観点から対象を中小に限定しない一律の支援策を求めており、主張が真っ二つに分かれた。

要望内容は

①還元対象店舗が消費者の目から見て分かりやすいようにすること
②中小・小規模事業者がキャッシュレスを導入しやすいよう、契約条件等が分かりやすく示されるようにすること
③事業期間終了後に中小・小規模事業者に追加的な負担が生じないようにすること

――の3点。9月末までの限られた準備期間内に中小スーパーがカード会社との契約や端末の導入を完了できるよう、速やかな環境整備を求めている。

全国スーパーマーケット協会の加盟企業はCGC系などの中小スーパーが大多数を占める。このため、ポイント還元事業への関心が非常に高く、このところキャッシュレスの導入手続きなどに関する本部への問い合わせが相次いでいる。

その一方で小売業界には中小限定のポイント還元に対する強い懸念もある。対象店舗の線引きが分かりにくく、消費者の混乱が予想されるほか、還元対象外の大手小売が値下げで対抗し、過度の価格競争に発展する恐れもあるからだ。日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、日本チェーンドラッグストア協会はこの問題を危惧し、昨年12月20日、一律の支援策を求める連盟要望書を世耕経産大臣に提出した。

消費増税時の中小小売への政策的配慮は必要だが、消費者価格に直結するポイント還元の対象店舗を限定した場合、公正取引の妨げになりかねない。主要量販団体の主張が出揃った今、さらなる議論が待たれる。