GI取得の三輪素麺 知財を成長戦略に

朝ドラが佳境に入った。主人公がやっとの思いで開発した即席麺が軌道に乗れば、世の中に模倣品が出回り始める。商標・特許侵害の概念が薄い時代、どう策を練って商品を守るのか次の展開が楽しみだ。

▼同じ麺でも乾麺は、はるか昔の1千300年前に生まれた。奈良時代に遣唐使が製法を持ち帰り、大和に飢餓が襲った時に、三輪(奈良県桜井市)で小麦を粉に挽き、細い棒状に練って乾燥したものを保存食として広めた。これがそうめんの原形となり、江戸時代には全国に製法が伝わった。

▼現在、三輪の生産量は播州(兵庫)、島原(長崎)に次いで3位。発祥地として首位奪回したいが、伝統産業は差別化が難しい。そこで地域共有の財産保護を目的に、16年に農水省の「地理的表示保護制度(GI)」を取得した。規定たんぱく量、製法、生産地域を満たした「三輪素麺」に限りGIマークを貼付できる。

▼EUではGI認定商品が約6千品目に上り、各々が売上げを伸ばす。日本では伝統産業や中小企業で知的財産に対する意欲が低い。専門家が身近にいないことも要因だが、成長戦略の一つに知財を創造・保護・活用する体制の強化も不可欠になってきた。