AIで原料検査 他社への提供も検討中 キユーピー

キユーピーは惣菜の原料となるカット野菜の検査に、AIを活用した自社開発の原料検査装置を導入し運用を開始した。惣菜の原料であるカット野菜の検査に活用するのはグループでは初となる。

導入を開始したのは、ポテトサラダなどに使用するいちょう切りのニンジンの検査工程。キユーピーグループ・デリア食品の惣菜工場で、今年1月から導入し運用・検証している。

ニンジンの検査工程では、いちょう切りに加工されたニンジンを目視で検査し、規定外の形状や変色したもの、原料に混入した夾雑物などを取り除いている。人の目による検査は作業者の身体的負担が大きく、作業改善が必要とされていた。そこで、自社で開発したAI原料検査装置を導入し工程を自動化、作業効率を向上させ、かつ「働く人にやさしい」工程に進化させる。

この原料検査装置の特徴は、ディープラーニングを活用した画像解析による良品選別のメカニズム。従来の原料検査装置では、色差などの画像処理で不良品のパターンを学習させる手法が一般的だが、変色や変形、さまざまな夾雑物など不良のパターンが無限にあることから、高い精度を出すのが困難だった。

一方、同社が開発した原料検査装置では発想を逆転し、AIに良品のパターンを学習させることで、「良品以外」をすべて「不良」として検出することが可能になり精度が飛躍的に向上した。

もう一つの特徴は「シンプル&コンパクト」な操作性。ボタン1つで誰でも操作できる簡便な操作性や、簡単に分解し洗浄できるシンプルな構造、狭い加工場でも多くのスペースを必要としないコンパクトさなど、生産現場の声をもとに改良を重ねている。

同社は2016年に、AIを活用した原料検査装置の開発に着手。18年8月からは、ベビーフードで使用する冷凍の角切りポテトや角切りニンジンの検査装置として本格導入している。今後の展開として、さらに検査装置の改良を進め、同じような課題を抱えている原料・食品メーカーへの提供も検討していく。