成長性高い領域にシフト 「世界トップ3」分野に集中 味の素が方針

味の素社の西井孝明取締役社長(最高経営責任者)が、「アセットライト経営により成長回帰を図る」方針を打ち出した。2018年度の連結業績は厳しい数字が予想される同社だが、その背景には「中期経営計画で掲げてきた食品事業のポートフォリオが、戦力の分散と重点分野の投資の希薄化を招き、主要カテゴリーの市場競争力とコスト競争力の低下につながった」と分析。そこでグループ全体でアセットライト経営の考え方により、内外の調味料・加工食品事業およびアミノサイエンス事業において成長戦略を再構築する。

具体的には

①成長ポテンシャルの高い事業領域にリソースの重点化・シフト
②資産効率の向上(価値創出のための資産・資源にシフトし、それ以外の資産を極小化)
③生産性の向上及び製品開発のスピードアップ

――の3つを挙げており、「強い市場の中でグローバルトップ3に入れるカテゴリーに人・モノ・カネなど経営資源を重点化・シフトさせ、グローバル食品企業トップ10クラス入りを目指す」。

グローバルトップ3を目指せるカテゴリーとして、うま味調味料と風味調味料を合わせた汎用調味料にメニュー調味料を加えた「セイボリー事業」を挙げ、ここでは既に世界ナンバーワンシェアを達成。そこで市場規模の大きい風味調味料と成長性の高いメニュー調味料の重点化によりセイボリー事業の積極拡大を図る構えだ。また、スープやインスタントコーヒー、果汁飲料など含めた「粉末飲料」もグローバルトップ3を狙える位置にあるとみられ、ここにも資源を集中する。

一方、国内では成長戦略を再構築するため、製品開発のスピードアップという点では、4月1日付で研究所を再構築し、基礎研究や分析力を市場ニーズに対応した体制に変更、製品開発のスピードアップを図る。また、高齢者の栄養改善という観点から、地域行政やドラッグストアと連携した取り組みも実施。例えばバランスの良い食事を推奨する行政と連携し、毎日10種類の食品群を食べているかセルフチェックできる「しっかり食べチェックシート10」を開発し、ドラッグストアと連携して店舗の管理栄養士が栄養指導するソリューションにつなげる。

さらに地域における栄養課題への取り組みも実施。例えば野菜摂取では、新宿区とともに「しんじゅく野菜の日」と連動。スーパーの店頭とも連動し、栄養バランスのいい「勝ち飯」提案など日本各地で行政や地場スーパー、現地メディア、大学などと連携し、野菜摂取の取り組みは46都道府県に及んでいる。