塩の値上げにみる日本の競争力

消費増税を前に食品業界の値上げ表明が相次いでいる。便乗値上げとの批判を回避すべく、今年4月から7月までに値上げ実施に踏み切る企業が多い。増税は過去の価格政策を見直す好機である。

▼塩もその一つ。前代未聞の全塩種が値上げに突入した。昨年の国内塩に続き、今年1月に輸入塩、4月以降に塩事業センター及び特殊製法塩が踏み切る。にがりシェア首位の味の素は1月表明の4月実施と短期間での価格改定作業に、さすが食品王者の貫禄を見せた。

▼センター塩は27年ぶりの食塩値上げ。四半世紀の間に国民所得や物価が大きく膨らむ中でも買いやすい価格を維持してきた。まさに価格の優等生といえる。そう考えると、値上げ幅15~6%はむしろ控えめ過ぎる感じもしてくる。

▼実は世界的に見ても塩の値段はそれほど大きくは変わらない。世界は豊富な塩田・塩湖、岩塩層が身近にある中での価格に対し、日本は海水を濃縮して炊き上げるのが基本。相当大きなエネルギーコストを含んだ上で海外品と競合できていることが塩産業・技術の素晴らしさを証明している。