“即食チルド麺”攻防激化 シマダヤが長鮮度化の新商品 東洋水産は全国展開へ

「日清のそのまんま麺」(日清食品チルド)の新規参入発表(既報)を受け、即食チルド麺で先行する2社が動きを見せた。茹でずに食べられる“即食チルド麺”のトップシェア「流水麺」(シマダヤ)がセミLL商品を発表したのに続き、昨年参入した「つるやか」(東洋水産)は、競合他社に先んじて全国展開を発表した。即食チルド麺はこれまで、シマダヤの独壇場だったが、今春は一転、激戦模様となりそうだ。

世の簡便・即食志向を追い風に「2019年度は新規参入メーカーによる市場活性化効果もあり、前期比5割増も期待できるのでは」(業界関係者)という即食チルド麺市場だが、今年発売31年目を迎え、即食チルド麺市場のトップシェアに君臨する「流水麺」が動いた。和風素材2食タイプに「稲庭風細うどん」(税別240円)、中華2食に「冷しつけ麺 醤油つゆ」「同 ごまだれつゆ」(税別320円)を追加するとともに、「そば1食 ぶっかけつゆ付き」「稲庭風うどん1食 同」「そうめん1食 同」(税別180円)を投入。ラインアップを一気に拡充させた。

最大のポイントはセミLL商品の投入。同社はこれまでフレッシュ麺のおいしさにこだわってきたが、今回、その方針を一転させた。新たに投入するセミLL商品は「冷し中華 醤油味」「同 ごまだれ味」を含む中華2食タイプ4品と1食タイプ3品。昨年ラインアップしていた「冷し中華」で比較した場合、セミLLにすることで賞味期限を10日(従来は6日)に延長。買い置き需要に対応するとともに、日清食品チルドが4月1日から発売する「日清のそのまんま麺 冷し中華 2食」の賞味期限12日に対抗した。

「つるやか 稲庭風細うどん」(東洋水産)

東洋水産は2食タイプ「つるやか ざるそば」「同 稲庭風細うどん」(税別230円)のリニューアルに合わせ、3月1日から販売エリアを全国に拡大。賞味期間も15日とした。さらに「ジャージャー麺の素」「ぶっかけおろしつゆ」「ごまだれ」などつゆのラインアップを拡充する。素材麺のラインアップは2アイテムを維持したが、つゆによるメニューバリエーションを強化することで競合に対抗する形となる。

ポイントは販売エリア拡大。これまで関東、静岡地区に限定していたが、今春、一気に全国展開に踏み切る。競合する「流水麺」の販売エリアは東北から中四国、「日清のそのまんま麺」は東北、関東、中部、近畿地区。先んじて全国展開することで、競合が進出していないエリアで競争優位に立つ狙いだ。

最後発となる日清食品チルド。「日清のそのまんま麺」のラインアップは、2食タイプの「冷し中華 醤油だれ」「同 ごまだれ」「柚子おろしぶっかけうどん」「ごまだれぶっかけうどん」(各税別300円)と、具入りたれを採用した1食タイプ「冷しジャージャー麺」「冷し担々麺」(各同240円)。最大のアピールポイントは、茹でる必要はおろか、流水でほぐす必要すらないという超簡便・即食性を武器に先行2社にチャレンジする。

「昨年、『つるやか』が参入したことで、トータルマーケットが増えたことは間違いない」(業界関係者)という即食チルド麺市場。今春はシマダヤのラインアップ拡充と日清食品チルドの参入によりますます活性化しそうだが、「即食タイプが増えれば、生タイプが減少する」(業界関係者)というように、“茹でる”タイプから“茹でずに食べられる”タイプへの需要シフトが加速する見通し。これまで中小メーカーが群雄割拠してきた素材麺の市場構造に少なからず影響を与えそうだ。