「から揚げ専用油」登場 家庭での手作りに根強い人気

わが家のから揚げをもっとおいしく――。食用油大手のJ-オイルミルズは、専門店のようなおいしいから揚げができるメニュー専用油「AJINOMOTOから揚げの日の油」(400gフレッシュキープパウチ)を3月上旬から全国発売する。

中食惣菜の需要拡大や後片付けの手間などが敬遠され、家庭内での揚げ物調理は年々減少傾向だが、「唯一、手作りのから揚げ調理は増加している。(油メーカーとして)ここに一点の光明を見いだした」(古川光有・J―オイルミルズ執行役員油脂事業部長)と、開発背景を説明する。

同社によると、ベーシックオイル(サラダ油やキャノーラ油など)を使用したメニューの食卓出現頻度は、主流だった野菜炒めや焼きそばが大きく減少し、揚げ物の出現頻度も減少している=別表。一方で「鶏肉の和風揚げ物」(から揚げ)の出現頻度は5年前に比べて0.3ポイント、8%程度増加しているという。

家庭での揚げ物調理がどのように行われているかを調査したところ、「揚げ油に対する意識や使用量が大きく変化している」(同)。油の交換頻度は昔のようにオイルポットに入れて3、4回は使う人が激減し、1回で捨ててしまうケースが増加。油の酸化が気になるという声も増えているという。

ベーシックオイル使用メニューの食卓出現頻度
ベーシックオイル使用メニューの食卓出現頻度

家庭用油の消費量は減少傾向にあるが、一方でキッチンの食用油の在庫本数はこの10年で1.3倍に増加。複数のオイルを用途やメニューで使い分ける傾向が強まっている。また、以前のように揚げ物鍋にたっぷりと油を注ぐ人が減少し、フライパンに少量の油(肉の4分の3が漬かる程度)で調理する人が大半を占めている。

こうした実態も踏まえて、開発したのが「から揚げの日の油」。1回使い切りの400g容量で、容器は注ぎやすく、鮮度を守るフレッシュキープパウチを採用。中身のオイルもこだわり、から揚げ専門店のおいしさを家庭で再現できる専用油を開発した。

古川光有氏(J―オイルミルズ)
古川光有氏(J―オイルミルズ)

特にこだわったのは、家庭の少量フライパン調理でも、ジューシーでおいしいから揚げを表現するオイルの配合。専門店のから揚げは、大きなフライヤーで、ディープフライ(たっぷりの油で揚げること)することで、肉の旨みや下味の風味が揚げ油に染み出し、おいしさがアップしているという。このイメージを参考に、鶏のコクと旨み、生姜の風味を新鮮なオイルに溶け込ませ、業務用油で培ったノウハウも活用して、冷めてもべたつかず、カラッとジューシーなから揚げが作れる専用油に仕上げた。

消費者テストでも、「ワンランクの上のから揚げに仕上がる」など高い評価を得ており、新商品の店頭導入も計画を上回る手応え。西田尚美さんを起用したCMも投入し、家庭用油売場での展開に加え、週末のから揚げフェアなど店頭の提案活動にも力を入れる。

幅広いメニューに使える汎用性が特徴の食用油で、から揚げに照準を絞ったメニュー専用油は同社では初の試み。「商品名の『から揚げの日』には、日常のうれしい出来事があった時に、家族みんなで手作りのおいしいから揚げを楽しんでほしい。そんな願いを込めて、TVCMも作成した」(古川氏)。日本唐揚協会認定商品のお墨付きも得て、家庭のから揚げ需要をさらに盛り上げていく構えだ。