“ワインバリア”打破へ 5大ブランドに集中投資 メルシャン

昨年のメルシャンは「基幹ブランドへの選択と集中」などを掲げた結果、ワイン計で前年比2%減(702万箱)と、3%減とみられる市場を上回った(うち国内製造2%減・364万箱、輸入1%減・338万箱)。今年はワインの間口と奥行きの拡大を図り、全体で3%増の723万箱(うち国内製造6%増・387万箱、輸入0%・336万箱)を目指す。

今年は戦略として「強いブランドへの集中による成長性の高いポートフォリオの構築」「イノベーションによるワインバリアの低減」「シャトー・メルシャン事業の拡大」を挙げる。

ポートフォリオの構築では「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」「フロンテラ」「カッシェロ・デル・ディアブロ」「ロバート・モンダヴィ」「シャトー・メルシャン」の5大ブランドに資源を集中させる。

昨年の「無添加」は前年比6%増の148万箱。今年も国内製造の主軸として継続的な伸長を目指すが、その中の戦略ポイントは「飲用機会創出による間口拡大」。ここ数年、ワイン購入者数は伸び悩んでいるといい、間口拡大を図る必要があるとみる。

今年は市場規模が大きく認知・接点が多い無添加カテゴリーで女性に人気のあるシードルを活用して間口の拡大を狙い、「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」を3月5日に投入。独自の製法で製造時の酸化を抑え酸化防止剤無添加を実現。ALC5%などで飲みやすく、手に取りやすい500㎖とした。

代野照幸社長はワインの親しみにくさを“ワインバリア”と表現。価格、中身、容器容量などの提案で、ワインならではの、今までになかった業際的な商品によるバリアの低減を目指すとする。無添加ブランド全体では9%増の161万箱を目指す。

また日欧EPA発効に伴い“オーガニック×ロゼ”も提案。2月26日には手頃な価格とこだわりの品質というスペイン産「メスタ テンプラニーリョ ロゼ オーガニック」を投入することでワインへの興味・関心を喚起する。

昨年、20%増・60万箱に達した「フロンテラ」では、この価格帯では少ない品種である「同ピノ・ノワール」を3月5日に発売。ブランド計で18%増の71万箱を目指す。

5年間で約2倍・11万箱に到達した中価格帯の「カッシェロ・デル・ディアブロ」では各種コミュニケーションなどでブランドストーリーを継続発信、認知拡大からファン化を図る。ブランド計では9%増の12万箱が目標。「ロバート・モンダヴィ」は9%増の1.1万箱で着地。19年は「ディアブロ」に次ぐ中価格帯・ファインの柱として育成する。2月26日にはバーボン樽で熟成させた新カテゴリーワイン「バーボン・バレルエイジド」を発売。ブランド計で7%増の1.2万箱を目指す。

昨年は124%・4万箱となった日本ワイン「シャトー・メルシャン」ではロイヤルファンの獲得を図る。事業そのものをCSV(社会と共有できる価値の創造)と位置づけ、産業経済・自然・未来との共生により事業価値の向上と社会課題の解決を目指す。今秋には椀子ワイナリーを開設して3ワイナリー体制とし、「テイスティング ニッポン~日本をもっと楽しもう~」をキー・コンセプトに発信を強化。また香港を中心に海外での展開を積み重ね、将来的にはロンドンなどでの発信も検討する。ブランド計目標は10%増の4.4万箱。