シニアの新需要に商機

麩と言えばみそ汁の具として使われることが多いが、ほかにはどんな時に口にするだろう。ふと考えた。

▼「低脂質で低カロリー、かつ高たんぱく。今の食品に求められるニーズにぴったり」とメーカーの営業マンは胸を張る。みそ汁以外にも使ってもらうため麻婆豆腐やきなこ餅の代わりにと、食べ方の提案に余念がない。

▼乾物などの伝統食材をいかに次代へ受け継ぐかは業界の共通課題である。関西が地盤のこのメーカーが次の販路拡大の視野に入れるのは中四国地方。高齢化が顕著なエリアだが、そこには理由がある。シニア世代のたんぱく質摂取の必要性が叫ばれており、肉より安価で噛む力が弱くなっても食べやすい麩にチャンスがあるとみる。

▼新品種の麦を商品化した穀物メーカーも、需要層を広げたいと意気込む。最近注目されているもち麦は30~40代の比較的若い世代が主な購買層。上の世代は麦に対し、貧しい時代のネガティブイメージを持つ人が少なくない。それを払拭するのが当面の課題だ。次世代への伝承も大事だが、そればかりでは商機を逃すこともある。