今年も青のり高騰 1㎏当り4万円越え 年々注目の陸上養殖

高級トッピング原料のスジアオノリが今年も高値推移となっている。主力産地の徳島県吉野川産は昨年11月から今年1月に6回入札が行われたが、1kg当たり4万円を超えるレベルが続いている。原因は大不作。これまで平年作なら60~70t生産し、豊作なら100tだったが一昨年は20t、昨年は28tしか採れていない。利用する食品メーカーも「青のりが高い」と不満は絶えない。今年は“黒海苔”(青のり側から見た通常の海苔)も海水温が高く不調。ともに後半戦(2~4月)に挽回を期すこととなっている。

香り高く高級トッピング素材として使わるスジアオノリも、かつて有名だったのは高知県の四万十川産だ。しかし、生産が不安定で全くゼロの年も頻出。現在の主力は徳島県の吉野川産となっている。ほかにも愛媛県のウスバアオノリも同じ種類でスナック商品の「青のり風味」でも使われる。

この“アオノリ属”は一般的に「青のり」と表記(裏面の一括表記にあおのり加工品と記載)できる種類であり、他の2種「アオサ」(アオノリ属の代替品、価格安)、「ヒトエグサ」(佃煮原料、みそ汁具材で多用)と比較して品質、価格面から高級品の位置付けだ。

しかしながら、ここ2年は急激な相場上昇で“高すぎる”状態が続いている。一昨年は12月に季節外れの台風が徳島県吉野川を襲来し、川に張った網ごと流失。結局、約20tしか採れなかった。昨年は前年の反省を生かして台風が来る前に養殖網をいったん撤去。生産期が後ずれするが直接被害を受けるよりはマシと判断。しかし、どうしても手当てしなければならない取引先を持つ入札業者が当時の史上最高値(3万8千円)を付けてスタートすると、後ずれした日程ながら挽回もできず最終的に約28tで終漁。入札価格も後半になるほど上昇し4万1千円まで高騰した。

今年も流れを引きついで本等級の出荷分に対しては早速4万2千~3千円で落札されている。5~6年前までは(年間60~70t生産)平均単価も6千~8千円ぐらいで高値でも1万2千円ぐらいだったものが、さまざまな要因が重なることで今や1kg当たり4万円超えの海藻原料となっている。

ちなみに今年も高い黒海苔を1kg換算すると約4千800円であり、いかに青のり原料が暴騰しているか分かる。

ここまで来ると安価版のアオサ(国産・中国産あり)との価格差は20倍になり、もはや代替品ではなく別モノになってしまった。

その中で昨年に続き注目されているのがアオノリ属の陸上養殖だ。不作原因が黒海苔のように養殖漁家の高齢化や人手不足ではなく、主に海水温、環境の問題なので管理の行き届いた施設で養殖すれば量も価格も安定する。まだ生産量は1t未満だが、興味を持つ大手食品加工メーカーも増えている。輸入枠(IQ枠)は既に限度一杯で余裕はない。行きついた先は陸上の安定生産。唯一無二のアオノリ原料を確保する動きも年々活発化している。