揺らぐ統計への信頼

厚生労働省の不正統計問題。基幹統計である賃金構造基本統計では、調査員が訪問して調査票を配布・回収するのがルールであるのに、郵送調査をしていたことが判明した。

▼「実感のともなわない景気回復」という言葉をよく聞くが、実態を言い当てているのかもしれない。有効求人倍率や消費者物価指数といった経済指標ももしや眉唾物ではないかと勘繰りたくなる。

▼統計という数字に基づいて政策を評価するアナリストやメディアにとって、レポート、記事そのものが疑わしいものとなり、ひいては国の信頼も失墜しかねない。

▼食品業界においても、販売データや統計は市場を把握する上での根幹となる。ただし新商品を開発する際、特に顧客の潜在ニーズを掘り起こし大ヒットを狙うにあたっては、データは役立たないという話を聞いたことがある。データは顕在化されたものであり商品の軌道修正やリニューアルには有効だが、潜在ニーズを探るには実際に売場などを訪れて顧客を観察するのだという。実態把握にも足を使うのが有効かもしれない。