終売品のJANコード、再利用禁止に 今年から国際ルール変更

今月から終売品のJANコードを別の商品に再利用することができなくなった。国際コード管理団体のGS1が標準商品識別コード・GTIN(日本のJANコードはGTINの一種)の運用基準を見直したためだ。背景にはアパレル分野で問題になっていた終売品の市中在庫とのコード重複がある。再利用頻度の低い加工食品への影響は軽微とみられるが、短縮JAN(8桁)を用いる菓子やスパイスでは慎重な対応が必要になる。

従来の国際ルールでは、一般消費財は終売後4年、アパレルは2年半を目安に、市場に在庫がないことが確認できれば、当該アイテムのGTINを別のアイテムに設定することができた。

このため、膨大な色・柄・サイズ展開によって大量の単品識別コードを必要とするアパレル業界では、GTINの再利用が世界的に行われていた。しかし、近年は数シーズン前のデッドストックがバーチャル市場で販売される場面が急増。再利用品とのGTINの重複により、アマゾンなどの大手EC事業者ではシステム上で単品を特定できなくなるケースが相次いでいる。また、GTINをキーに用いるマーケティングデータの長期時系列分析などにも弊害が生じていることから、数年の国際議論を経て今回の再利用停止が決定した。

この新ルールは今年1月1日から適用されているが、18年末までに終売となった商品のGTINについては、再利用を認める経過措置がとられるため、コードの付番を巡って大きな混乱が生じる可能性は低い。

GS1の日本代表機関である流通システム開発センターは「国内食品分野ではJANの再利用そのものがさほど行われていない」(コード管理部担当理事・西山智章氏)としており、食品企業がこの問題を過度に気にする必要はなさそうだ。ただし、短縮JANを採用しているガムなど一部のカテゴリーでは、新たな対応が求められる。

JANコードには13桁の標準タイプと8桁の短縮タイプがあり、このうち短縮タイプは6桁の事業者コード、1桁のアイテムコード、1桁のチェックデジット(誤入力防止用の検査番号)で構成されている。その利点は標準タイプよりも小さな面積にバーコードを印刷できることだが、1つの事業者コードで設定できるJANは最大10アイテムと非常に少ない。このため、短縮タイプを用いるガム・駄菓子・小瓶スパイスなどのメーカーは、1社で多数の事業者コードを保有するか、終売品のJANの再利用で乗り切っているのが現状だ。

また、13桁の標準タイプも内包する事業者コードの桁数によってJAN付番可能数が大幅に異なる。多くの有力メーカーが保有する7桁事業者コードの場合、アイテムコードに5桁が割り当てられており、最大10万アイテムへの付番が可能だ。一方、7桁事業者コードの不足を理由に00年以降に普及した9桁事業者コードの場合、アイテムコードが3桁となり、JAN付番可能数は最大1千アイテムとかなり制限される。このため、商品改廃頻度の高いメーカーの中には、再利用を行っているケースもありそうだ。

今後、短縮タイプや9桁事業者コードの標準タイプを用いる企業は、必要に応じて新たな事業者コードを確保し、アイテムコードを随時補充する形となる。流通システム開発センターは昨秋から再利用頻度の高いアパレル・菓子などの業界団体にこうした対応を呼びかけているほか、先月から消費財業界全体への告知も開始した。また、JAN利用企業が少数のアイテムコードを機動的に補充できるよう、10桁事業者コード(アイテムコード2桁)の新設などにも取り組む方針だ。