消費税軽減税率問題 企業間の税率伝達体制整う

JII DB方式、メーカーに浸透

消費税軽減税率制度への対応に欠かせない商品ごとの税率伝達体制の確立に向け、業界標準商品データベースを運営するジャパン・インフォレックス(以下、JII)の準備作業が大詰めを迎えている。4月1日からメーカーが自社商品の消費税率を同データベースに登録できるようにするのに合わせ、確実な登録をメーカー各社に呼びかけている。

10月に導入が予定されている軽減税率制度では、外食を除く飲食料品と新聞(定期購読契約が結ばれた週2回以上発行の媒体のみ)がその対象となるが、飲食料品の中にも税率判定が困難なものが一部含まれる。その代表格が食品と非食品を組み合わせたアソートギフトや玩具菓子などの一体資産だ。

政府はこの一体資産について「税抜1万円以下で価額に占める食品の割合が3分の2以上のもの」を軽減税率、それ以外を標準税率と規定している。しかし、原価情報を持たない流通側にはその判定ができないため、メーカーが自社商品の消費税率を販売先に事前に通知しておく必要がある。

この円滑な税率伝達のカギを握っているのがJIIだ。同社は現在、メーカーがオンラインで主体的に登録したものを中心に約224万件の商品情報を保有している。これは生鮮品を除く国内流通食品の7~8割程度をカバーする。主要な食品卸はここから商品マスタ情報を取得している状況だ。このため、メーカーによる税率情報の追加登録が順調に進めば、企業間および店頭での税率誤認等の混乱を最小限に抑えることができる。

ただし、JIIに商品情報を提供するメーカーの中には、登録件数・頻度の少ない中小企業も多数含まれる。このため、JIIは一定数の登録実績のあるメーカー約5千社を対象に、昨春から税率区分項目の拡充と同情報の追加登録を求める告知を開始。当初はメール配信でスタートし、返信のないメーカーに現在の担当者を確認のうえ、返信書類同封のDMを送付するなど、入念な周知を図っている。

昨秋以降は応答のないメーカーにJII利用卸各社から直接呼びかけを行っており、未確認メーカー数はようやく100社程度に絞り込まれてきた。ほぼ1年がかりで業界全体の税率伝達環境が整ってきた形だ。

国内食品製造事業所数は2万5千余(17年工業統計)と膨大で、中小にまで制度変更等の周知徹底を図るのが非常に難しい。軽減税率制度への対応を通じてJIIが実効性の高いメーカー連絡網を作り上げたことは、行政にとっても大きな意味がありそうだ。