多民族国家へ 外国人労働者守る制度を

イギリス政治が迷走している。政府によるEU離脱案が議会で否決され、合意なきEU離脱が現実味を帯びてきたため。

▼EU離脱の一因となった移民問題は、イギリス国民のナショナリズムを刺激。「ヒト」「モノ」「カネ」のうち、特に「ヒト」の往来の自由がやり玉に挙がった。イギリスは移民社会だったはずだが、移民受け入れの上限とされた年間10万人を超える、30万人が流入する事態が、イギリス人の雇用を脅かしているといった一部の国民の認識となり、国民投票でのEU離脱にまで突き進む一因となった。

▼日本とて他人事ではない。人手不足が深刻化し、いまや外国人なしでは社会システムが維持できなくなっている。特に3Kと言われる産業の担い手は急速に外国人に置き換わりつつある。4月からの外国人単純労働者の受け入れ解禁により、日本も多民族国家への道を歩むことになるのだろう。

▼法案の審議は十分とは言えず、拙速感も否めない。制度設計の時間も足りないが、将来的に経済格差や社会的な不満のはけ口が外国人労働者に向けられることがないような制度となることを願う。