コンフェックスに出資 伊藤忠食品とヤマエ久野、インフラ共同利用など推進

伊藤忠食品と九州地盤のヤマエ久野は15日、合弁新会社「ワイ&アイホールディングス合同会社」を通じて菓子卸大手・コンフェックスホールディングスに出資した。出資比率は非公表だが、新会社からコンフェックスに非常勤取締役ならびに監査役を派遣し、卸3社で物流拠点の共同利用などを積極的に推進する。3社の主力得意先であるセブン&アイグループへの協力姿勢を示す狙いもありそうだ。

合弁新会社は菓子流通への参入を目的に昨年12月7日に設立。伊藤忠食品東京本社に本店を置き、代表者も「伊藤忠食品(法人)」となっている。資本金1億円。資本構成は公表されていないが、出資2社は「対等の精神に基づき設立」としており、持株比率もそれに近いとみられる。

伊藤忠食品は09年に地域卸子会社の九州伊藤忠食品をヤマエ久野に売却しており、現在、両社の商圏はほとんどバッティングしていない。また、両社はいずれも酒類・加工食品のウエートが高く、菓子を含むフルライン対応力で三菱食品・日本アクセス・国分グループの後塵を拝している状況だ。M&Aを通じて菓子専業で全国化を進めるコンフェックスとの“3社提携”により、エリアとカテゴリーの両面で強力な補完関係が成立する。

合弁会社を挟む異色の提携を受け、3社は物流拠点などインフラの共同利用や得意先開拓で積極的に連携する。常温帯の酒類・加工食品・菓子はリードタイム等の物流特性がほぼ一致していることから、拠点・車両の共同利用によるコスト競争力の強化と生産性の向上が急ピッチで進みそうだ。伊藤忠食品・ヤマエ久野の得意先にコンフェックスを紹介するなど、営業面でもカテゴリーを超えた総合的な対応が可能になる。

背景に“セブン対応”か

さらに、この提携の背景にはセブン&アイグループへの対応力強化という側面もありそうだ。伊藤忠食品はセブン&アイが16年に大規模な帳合変更を行った際に多額の取引を失っているが、その後も同グループが最大の得意先となっている。一方、ヤマエ久野については同グループへの常温品の卸売に加え、九州エリアのセブン―イレブン向け弁当・惣菜ベンダー事業に多額の投資を行っている。コンフェックスも16年の帳合変更の折に髙山の一部取引を引き継ぐ形でセブン&アイへの菓子供給を一挙に拡大している。

ただし、伊藤忠食品の親会社・伊藤忠商事はファミリーマートを保有。コンフェックスもファミリーマート向け菓子専用ベンダーのドルチェ(日本アクセス連結子会社)に25%出資しており、それぞれの立場はやや微妙だ。今回の提携には、こうした00年代の流通再編のしがらみを超え、セブン&アイ取引卸3社で同グループへの協力姿勢を主体的に示す狙いがあるとみられる。

合弁新会社がコンフェックスへの出資比率の公表を控えたのは「出資額が東証の開示要件に届かないため」(伊藤忠食品経営企画部IR広報チーム)だが、その実額をはるかに上回るインパクトを流通業界に与えることになりそうだ。