今年の砂糖 TPP、日EU・EPA発効 激動の平成から波乱含みの新時代へ

砂糖業界にとって今年は節目となる。TPP11が昨年末に発効され、関連して悲願の加糖調製品(砂糖含有の2次加工品)が調整金(国産糖の保護財源負担)の対象になったからだ。しかしながら、価格差はほとんど埋まらず実質的な効果は疑問視されている。さらに今2月には日欧EPAも発効されるが、TPP関連措置と同様に加糖調製品には関税割当枠が設けられ、今よりも輸入量が増える可能性が出てきてしまった。砂糖は平成で約26%消費量を減らすなど甘味原料の中で“一人負け”だったが、次の時代を生き抜くための戦いも今年から始まることになる。

砂糖の平成史は縮小均衡そのものだ。消費量は平成30年で約26%減り、精製糖企業も精糖工業会の加盟社数で17社1団体から現在は11社1団体に。工場再編(白糖主体の精製糖工場)も平成元年頃に約20~22工場(定義にって幅あり)だったものが現在は12工場に集約された。

消費量が減っている食品は砂糖だけでないが、消費量が減るたびに不満が高まる理由は“調整金問題”があるからだ。国産砂糖(北海道、鹿児島、沖縄)を保護するための財源を砂糖だけが負担している。しかし、昨年末に発効されたTPPの関連大綱において業界が長年要望し続けてきた「加糖調製品を調整金対象にする」が盛り込まれた。しかしながら砂糖の軽減額は3円ほどで実質的な競合価格差はその10倍以上の開きがある。これでは効果は限定的で「これからは国産砂糖を使おう」となるかは甚だ疑問。長年の足踏みから一歩進んだものの、期待したほどの幅ではなかったというところだ。

しかも、輸入制度も変更になり加糖調製品に関税割当枠も新設された。今2月に発効される日欧EPAでも同様な枠が設けられるなど、国内の砂糖消費にはマイナス効果が予想されている。

TPP交渉でも砂糖(甘味作物資源)は自由化などから除外される重要品目に指定されたが、国産砂糖を支える仕組み(糖調法)の改善はあまり進まなかった。平成の終わりにようやく1歩進んだが、結果的に2歩下がるようなことになる懸念も砂糖業界は抱いている。「すべての甘味原料で国産糖を支えよう」が本願であり、今年から変更された各制度の状況を見極めながら新たなスタートとなった。