自販機オペレーション 体力と頭脳戦の現場 魅力UPへ三者三様に邁進

自販機の販売低迷が叫ばれ、自販機に商品を補充する自販機オペレーターの過酷労働が取り沙汰される中、自販機の魅力を高めるべく日夜知恵を働かせる人たちがいる。

働き方改革の波で「入社当時と大きく様変わりしたのは効率化の追求」と言うのは、東京キリンビバレッジサービス府中支店でトレーナー主任を務める今井邦典さん。

「働きやすくなった分、効率が求められる。効率を上げても質を落としては意味がないので、かなり頭を使うようになった」と語り、その一例としてコラム(商品を詰める棚)変更を挙げる。

構造上、上段に位置するコラムほど商品を多く詰めることができ、最上段と最下段では最大収納本数が10本程度異なる。今井さんは販売動向を見極め、売れ筋商品を上段に、そうでない商品を下段に入れ替えていくことで売り切れ回避に努める。自販機ビジネスにおいて売り切れランプの点灯は禁物で、1つでも売り切れが出れば、非効率であれ、すぐに補充に駆けつけなければならない。

「売れ筋のコラムを2列、3列と増やすのも手だが、そうすると種類が減ってしまうので小まめに入れ替えていく」という。

オフィスビルにアプローチを強める佐藤さん(伊藤園)
オフィスビルにアプローチを強める佐藤さん(伊藤園)

足をつかったロケーションの情報収集も欠かせない。「大型イベント会場でコンサートがあると周辺の個人商店でも物凄く売れる。オンラインシステムではそこまで把握できない」ためだ。

ルートを回っていると、消費者とロケオーナーの双方から「あの商品を入れてほしい」といった声を掛けられることもあるという。「ご要望通り入れて、たとえ売れなくても、それはそれで会話の糸口になる。新商品を入れてお客さまからも感謝の言葉をいただくこともあり、そんなときは楽しい」と語る。

自販機オペレーションは一般的に、メーカーのグループ会社あるいは外部企業が担い手となり、新規設置提案などの営業は行わずオペレーションに専念している。こうした中、異彩を放つのは伊藤園で、社員自らがルートセールスの一環でオペレーションと営業を行っている。

オフィスビルを担当する佐藤敦彦さんの場合、自販機以外に、オフィスビルに入居する企業や小売店にもアプローチしている。「販売が前年を上回ったときが一番うれしい。自販機の回転がよければ、ビルオーナーさまに増設をお勧めすることもあるが、常にオーナーさまとコミュニケーションしていないとそのような提案はしにくい」ことから自らあいさつの徹底を課している。

独自のフェース作りを心がける外塚さん(コカ・コーラボトラーズジャパンベンディング)
独自のフェース作りを心がける外塚さん(コカ・コーラボトラーズジャパンベンディング)

商業施設内や観光地など好立地にある自販機で、季節の変わり目や催事に合わせて飾り付けのマーチャンダイジング(MD)を展開するのはコカ・コーラボトラーズジャパンベンディング。

同社の横浜セールスセンターに所属する外塚健次さんは「どうすれば1本でも多く買っていただけるかを考えて品揃えやMDを行うなど、試行錯誤の連続だが、会社支給の統一された販促物だけではなく、独自に調達した小物を使ってオリジナルのフェースをつくっていくと結構反響がある」と語る。

外塚さんは16年と17年の実績が評価され、昨年、アトランタとニューヨークでの研修機会を与えられた。「頑張れば海外研修にも行けるのかと、この会社にいてやり甲斐を最大限に感じた」と振り返る。

(本紙1月14日付4~24面に「新春飲料特集」)