独立系スーパー3社が資本業務提携 大同団結の受け皿目指す

アークス、バローホールディングス、リテールパートナーズは25日、資本業務提携を発表した。リージョナルトップにまで及んだ量販の業界再編、業態間競争の激化、Eコマースの台頭という環境変化の中、「スーパーマーケットは閉塞感に陥っており、(将来の)方向性が出ていない。独立系のスーパーマーケットがこのままではダメになってしまうのではないか」(田代正美バローホールディングス会長兼社長)という危機感を共有する3社が、「新日本スーパーマーケット同盟」というスローガンを掲げ、全国の独立系・地域有力スーパーマーケット(以下、SM)が大同団結するための受け皿とする考えだ。

発表では「新日本スーパーマーケット同盟」を「戦略的資本業務提携」と位置付けた。業務提携には、NBなど商品の共同仕入れやPB開発、システム統合といったお決まりの項目は含まれていない。資本提携も「提携関係を確実なものとし全国にまたがる結集軸であることを明確に示す」(横山清アークス社長)との考えに基づく規模にとどめている。各企業の独立性を保った連帯とすることで、参入障壁を引き下げた。

業務提携のうち、「次世代に向けた取り組み」としてカード事業、バックオフィス事業の統合や金融・決済事業などを挙げた。こうした取り組みの前提となる経営統合については、「現時点では考えていない」(横山社長)とする一方、「『新日本スーパーマーケット同盟』に(株)が付く可能性はある」(同)と含みを持たせている。

アークス、バローホールディングス、リテールパートナーズは25日、資本業務提携を発表

今回の資本業務提携について横山社長は「これまで大手や生協に対抗してきたが、現在はリアルとバーチャル、業種・業態を超えた競争環境で、地域NO.1といっても通用しない。そうした中、国内最大の流通業者が素晴らしい中期経営計画を立てた。一刻もおろそかにできない状況の中、慌てて手を組んで何かしようとうろたえているわけではない。とにかくできることを思い切ってどんどんやろうということ。われわれと同じ問題を抱えるSM、同志は多い」と説明。

田代会長兼社長は「ライフスタイルが変わり、決済手段も変わりつつある。カード事業一つにしても、大手はカードで収益を出しているが、われわれはカードがコストになっている。大同団結することで、いろいろなことが可能になってくる。まずは3社が実のある業務提携に入っていけるか。このグループにどれだけの企業が参入してくるか、ここがポイントだ」との認識を示した。

リテールパートナーズの田中康男社長は「企業規模拡大のプラスは多い。日本列島を縦断する形で、全国規模の受け皿になる」との意気込みを示すとともに、「中国、九州にはまだまだ会社=家業といった考えの企業も多いが、正月の間にそれぞれの社長さんに考えていただきたい」と語り、同グループへの参加を検討するよう促した。

3社の提携により、売上高1兆3千億円規模のSMグループが誕生することになるが、金融事業への取り組みを含め、田代会長兼社長、横山社長とも3兆円が一つの目安との考えを示す。ハードルはかなり高そうだが、「それぞれの経営資源や経営ノウハウを有効活用し、地域における独立系食品流通企業との連合形成等の施策を相互に支援することなどを通じ、各々がより高いレベルのチェーンストア経営へと成長・発展を遂げる」との方向性を打ち出す新グループは、業界再編の中心軸となり、日本列島を縦断する一大SMグループの形成を目指す。