清酒、厳しい数字に強い危機感 量から質への転換なるか 日本酒造組合中央会・篠原会長

18年(1~10月)の清酒は全月前年割れの前年同期比93.3%、本格焼酎・泡盛は93.8%で推移。日本酒造組合中央会の篠原成行会長は21日の会見で「大変危惧している」と危機感を示した。

大幅ダウンの要因として篠原会長は災害の影響を挙げる。また夏の酷暑のため「軽い、喉を潤すような飲み物へ流れ、向かい風が吹いていると感じる」と語る。

さらにヘビーユーザーが減ることで、これまで支えてきた部分にも陰りが出るといった消費行動の変化も挙げている。小西新太郎副会長も「低価格競争で厳しい。今までの延長線上のやり方では駄目だろう」と語る。

19年は2月にEUとのEPAが発効しワインが脚光を浴び、キャンペーンなどが行われるというが「われわれもひるまず、工夫しながらやらないと」(篠原会長)と語る。一方でインバウンドの増加を見込んでおり「国酒を飲んでもらえるよう取り組みたい」と期待も示す。

10月の消費増税については価格転嫁に取り組む考えを見せた。原料加工用米の価格上昇についても危機感を示した。

輸出については、清酒が数量で100%、金額120%、本格焼酎が数量95%、金額100%で推移したとし、高額な商品が売れているとみる。EUとのEPA発効で輸出環境は好転するものの、各国の酒税は変わらず、関税撤廃だけでは進まないとみている。

日本酒の普及を目指して行われる日本酒フェアは好評といい、また10月1日の全国一斉日本酒で乾杯イベントでは若年層へ向けて発信で来たとし、19年は新しい取り組みも検討する。海外では効果的な輸出振興を目指して引き続き展示会などに出店する考えだ。本格焼酎ではニューヨークでの試飲会を予定する。

平成を総括して篠原会長は「各蔵の特徴を生かした中身で勝負する方向へ変わった」と語り、岡本佳郎副会長は「業界は構造変化の途中だ。量から質への転換ができるかどうかだ」と今後の展望を語った。