ビジネスモデルを特許登録 食品業界にも新たな風

客の目の前で食べたい分量の肉をカットし、たち食いスタイルで提供する気軽さが受け、急成長する「いきなり!ステーキ」(ペッパーフードサービス)は、立食形式のテーブルに案内、ステーキの量を聞き、カットして焼いて、運ぶステップを含む『ステーキの提供方法』をビジネスモデル特許として出願、登録維持まで時間を要したが10月に知財高裁が発明該当性を認めた。

そもそも、ビジネスモデル特許は、判断基準があいまいであり、『ビジネスモデルを発明といえるのか』などの観点からも成立させることが難しいといえる。そのため、今回の「いきなり!ステーキ」の事例は今後の基準を示すものとして各方面から注目を集めた。食品業界でも『自社のビジネスモデルが認められるのか』など、外食産業をはじめ関心が高い。

しかし、「いきなり!ステーキ」の『ステーキ提供方法』がビジネスモデル特許として認められるまでの期間は4年。決して簡単な道のりではなかったことが分かる。2014年の出願から、特許が認められるまでの大まかな流れは次の通りだ。

ペッパーフードサービスから出願された『ステーキ提供方法』は、特許庁から「発明に該当しない」と判断される。この判断を受け、肉の計量器とカットした肉、テーブル番号を記載した札にシールを使用し、他の顧客のものとの混合を避けるといった技術面を追加し、「ステーキの提供システム」特許登録が認められる(特許5946491号)こととなった。

しかし、特許公報の発行後、第三者からの異議申し立てを受けたため特許庁の審判部が再度、発明該当性を審理。その結果、印し及びシール、札、計量器を機能の一つの利用態様に過ぎないとし、特許の取り消しが決定された。その後、ペッパーフードサービス側が特許庁の決定に対し取り消しを求めたため、知財高裁で争われることとなった。

最終的に裁判所は、印し及びシール、札、計量器について、課題を解決するための技術的手段であり、全体として「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当すると判断、これによりようやく特許が認められたこととなる。

前述の通りビジネスモデル特許は権利化が難しい分野だ。しかし、登録されてうまく活用することができれば、独自の提供サービスでも市場優位性は高まる。今回の事例を受けて、新たなビジネスチャンスの確立に向けて動き出した企業も多い。自社のビジネスモデルをどうサービスに落とし込みながら、技術力をアピールするのか。今後のビジネスモデル特許の動向から目が離せない。