三井食品 低温強化へ 経常率0.5%達成後の柱に

三井食品は低温事業を強化する。次年度(20年3月期)から新たに低温管掌役員を置き、全社方針を明確にして現場頼みの低温営業体制を見直すほか、物流拠点や惣菜製造ネットワークの整備方針を固める。

同社は現・中期計画(17~19年度)の最終年度目標に掲げる経常利益率0.5%を1年前倒しで達成できる見通し。物流費の高騰や6月以降に多発した台風・地震の影響で想定以上のコストアップに見舞われているが、その他販管費の圧縮が順調に進み、同業大手の背中がようやく見えてきた格好だ。大口帳合の消失をきっかけに2期連続で多額の最終赤字を計上した05~06年頃とは体質が明らかに異なる。

しかし、「ここから先は経常率の積み上げが非常に難しくなる」(萩原伸一社長)。小売・外食の競争激化と物流費・人件費の恒常的な上昇により、従来型の体質改善による収益確保が限界に近づきつつあるからだ。

特に同社の場合、NBを中心とする酒類・常温加工食品の売上げ依存度が高く、加藤産業の自社PBや日本アクセスの有償低温物流サービスといった差別性の高い事業を持ち合わせていない。今後はこの事業構造がマイナスに働き、過酷な見積もり合わせの中で苦境に立たされる恐れもある。

こうした経営環境認識のもと、次年度は経常率0.5%達成後の成長戦略の一環としてニーズの高い低温事業の高度化に着手。全社に横串を挿して組織的営業体制への移行を図りつつ、低温強化に欠かせない物流・製造拠点網の編成案を取りまとめ、20年度を起点とする次期中期計画に落とし込む。

製造機能の構築については、同社傘下の藤徳物産が展開する惣菜工場と同様の自社運営方式に加え、各地の既存メーカーとの連携も検討する方針だ。