「生茶」1―11月8%増 「キリンレモン」は600万箱突破 キリンビバレッジ・堀口社長語る

キリンビバレッジは今期(12月期)、“既存領域での成長”“新領域での取り組み”“持続可能な仕組みづくり”の3つの柱の下、ブランドと商品を展開し飲料販売数量は1―11月で前年同期比3%増の2億1千247万ケースとなった。

年間着地も3%増を見込む中、その内訳を見ると「生茶」「キリンレモン」などで手応えを得る一方、自然災害による物流の混乱や「ファイア」の立て直しといった課題が浮き彫りになった。

物流面では西日本豪雨でJR貨物の山陽線が100日間不通になったことが痛手になった模様。取材に応じた堀口英樹社長は「当社は長距離輸送の7割弱を鉄道輸送にモーダルシフトしている。それ自体をガラリと変えるのではなく、船やトラックのルートを常に確保していくのも1つ方法。短期的には、中央にストックが多いので物流拠点を増やし少しエリアに移していきたい」と語った。

“既存領域での成長”では「午後の紅茶」「生茶」「ファイア」の基盤ブランドの強化を図ったほか、育成・チャレンジ領域にも取り組んだ。

「午後の紅茶」は、物流の混乱で夏場に大型PETの出荷調整を余儀なくされたことが響いたが「ブランドのコンディションは悪い状態ではない」。

アイテム別では「ストレートティー」「ミルクティー」「レモンティー」の基幹3品はリニューアル効果で間口が拡大。「おいしい無糖」は食事との提案が奏功して1―11月累計で3%程度伸長した。

「生茶」は1―11月累計で8%増。「現代のライフスタイルに馴染むような“現代緑茶”というイメージが少しずつ浸透している。CMにより30代女性との接点をさらに高めて間口が広がったのも大きかった」。

「ファイア」は下げ止まらない中、旗艦アイテムである「挽きたて微糖」に引き続き注力していく。「『挽きたて微糖』は営業活動もできていて数字にも出ている。11月単月では自販機1%増、スーパー3%増となった」と回復の兆しも出てきている。

育成領域では「キリンレモン」と「世界のkitchenから」が好調となった。「キリンレモン」は大刷新して4月に発売開始したところ12月中旬に600万ケースを達成した。

また、「世界のkitchenから」は旗艦アイテムの「ソルティライチ」が猛暑によって牽引役となり、1―11月で10%増となった。

チャレンジ領域では、1月に新発売したプラズマ乳酸菌配合の「iMUSE(イミューズ)レモンと乳酸菌」が計画の1.5倍で推移していることが貢献し「お客さまのプラズマ乳酸菌とイミューズに対する認知がぐんと上がった」という。

チャネル別ではスーパー・量販店では基幹ブランド、コンビニでは「キリンレモン」と「世界のkitchenから」がそれぞれ好調となった。ECはEC専用商品が大幅増となるなど近年右肩上がりとなっている。

一方、自販機は苦戦。来期は1月1日付で自販機専門会社キリンビバレッジバリューベンダーを統合して新体制で臨む。統合については「意思決定を早くし自販機の専門性を高めるために分社化したところ自販機専用のマーケティングはものすごく進み技術も高まった。これからも可能性があると思っているが、1つ問題なのは人手不足。効率的なオペレーション体制の構築が今後の大きな課題」との見方を示した。

現在は1つのエリアを手売りと自販機で別々にアプローチしているが、これを一本化する狙いもある。「1つのエリアを自販機・手売り・ECの全体でみていけるメリットがでてくる。さらに見守り自販機やピンクリボン自販機といった自販機のCSV機能にも可能性がある」とみている。