携帯値下げ 増税対策の切り札に

来年予定されている消費税率の引き上げによる家計負担増加額は、2人以上の世帯で月額4千500円程度とみられる。思ったより大きいなというのが実感だ。

▼その消費影響の回避に向け、政府はポイント還元を柱に4千500億円規模の官製セールを敢行する。しかし、それは国を挙げての需要の先食いに過ぎない。実施期間を過ぎれば消費が一挙に沈む恐れもある。

▼有効打を欠く増税対策の中で今後注目したいのは、菅官房長官が提唱する携帯電話料金の値下げだ。現在、家計消費支出に占める通信費の割合は被服費・医療費・教育費を超えている。しかも、その8割弱が携帯料金だ。諸外国にないこの家計構造が多様な消費財・サービスの需要を圧迫しているのは否定できない。

▼仮に官房長官の言う4割の値下げが実現すれば、歪んだ家計を修正できるばかりか、増税による負担増も一掃できる可能性がある。このことが消費に与えるプラスインパクトは絶大だ。予算がかからない増税対策として、さらには東京五輪に向けた訪日客対応の一環として、速やかな実施を願う。