飲料 販売過去最高も「災」の1年 猛暑と自然災害で物流破綻も

2018年飲料業界は、記録的な猛暑で夏場に過去最高の出荷量を記録した。年間生産量は4年連続で過去最高を更新し、生産者販売金額は初の4兆円の大台突破が確実視される一方、物流・収益面では大きな課題を残す一年となった。

猛暑による需要急増と西日本豪雨をはじめとする自然災害に起因する物流の混乱が重なったことで、人海戦術やトラックの急場の確保、イレギュラーな輸送などを余儀なくされ収益を逼迫させた。

飲料ビジネスは、夏場の最需要期に備えて冬場から作り貯めを行い、消費地に近いところに在庫しておくのが定石。このため物流量が多く、加えて、商品1つ1つが重たく、移動距離も長い傾向にあることから、物流の混乱の影響をもろに受けやすい業界と言える。

「猛暑で商品が良すぎるくらいに回転する中、これに対応すべくトラック輸送と海上輸送に変えて利益度外視で商品を運ぶことに専念した。想定外だったのは九州で品薄になったことで、沖縄県名護市にある飲料生産工場から鹿児島へ海上輸送して最大限努力したが対応しきれずにご迷惑をおかけした」と振り返るのは伊藤園の本庄大介社長。

同社は今後も想定外の天災は起こり得るとの見立ての下「われわれには協力工場が全国48か所以上ある。工場と物流本部で、つくるべき商品とどこに運ぶかを再構築し、しっかりお客さまのところにわれわれの商品が届くようにしていく」。

アサヒ飲料の岸上克彦社長も「来年に向けた考え方としては、工場と倉庫の配置、物流の距離を一から見直し、今年のようにお客さまにご迷惑をかけることがないようにしていく」と述べる。

大手メーカーの製造拠点で西日本豪雨が直撃したのは、コカ・コーラボトラーズジャパン。本郷工場(広島県三原市)と隣接の物流拠点が浸水し災害による損失79億円を特別損失に計上した。

吉松民雄社長は、年間で安定した気候とされるエリアでの被災を受け「水災の保険はあるが基本的には保証の上限額が大変厳しく、掛け金が高い。しかし、実際にこういう状況になったことから全製造拠点を含め再度検討していく」と語った。

物流費の高騰については費目ごとの対応を検討する。「庫内作業費用、拠点間の移送・輸送費用、セールスセンターへの輸送費用などの各部門で今やれることを考え、次年度の事業計画にしっかり反映させていく」と説明した。