米菓、踊り場の上期 ポテチショック反動も影響 新潟大手は明暗

米菓市場はここ数年、伸長傾向を示して生産金額規模をついに2千800億円の大台まで膨らませてきた。一方で、今年に入ってからの市況は芳しくなく、踊り場の状況に差し掛かっている。全国米菓工業組合の1~9月生産状況は、あられ1.0%増、せんべい2.4%減、合計1.0%減のマイナスとなった。上期マーケットデータでは、月にもよるが4月が出鼻をくじかれた格好で出遅れ、秋冬に向けて尻上がりに取り戻してきてはいるものの、新潟大手の上期業績でも明暗が分かれている。加えて、原料米をはじめ物流費、包装資材などコストアップが米菓各社に重くのしかかっている。

亀田製菓は、平成30年度から新中期経営計画で平成42年度には「あられ、おせんべいの製菓業」から「Better For Youの食品業」への進化を掲げている。国内米菓については、経営資源の配分や効率性重視の観点から製品アイテム数を削減・適正化し、主力ブランドの定番商品の販売活動に注力し収益性の向上を図った。一部製品では、期初に内容量改定など規格変更の対応策を講じている。

結果、上期の国内米菓事業は377億5千4百万円(前年同期比0.2%減)と微減で着地。通期の国内米菓は802億6千万円(0.7%増)を狙う。上期の主力ブランドの動向は、亀田の柿の種が3.7%増、つまみ種5.1%増、うす焼4.6%増、ソフトサラダ9.6%増と好調に推移したが、ハッピーターン4.0%減をはじめ、まがりせんべい、手塩屋、ぽたぽた焼、揚一番が苦戦した。

海外事業は、米国連結子会社Mary’s Gone Crackersが、周辺地域の記録的大雨による影響から回復し前年を上回り、生産機能の新工場への移転集約も今年7月に完了した。食品事業の強化を進め、最近では大豆で作ったヘルシーおつまみや柿の種専用ふりかけマシン発売が話題となった。

三幸製菓はここ数年、右肩上がり路線を確実に進めており、4~9月の業績も前年同期比7%増と拡大した。好調要因は主力商品である雪の宿10%増、粒より小餅30%増、チーズアーモンド5%増、丸大豆せんべい20%増、ぱりんこ5%増とそれぞれ高伸長を遂げた。売上げ500億の大台達成から、さらに成長度合いを高めてきている。

一方で、両社の拡売路線の狭間に立つ岩塚製菓は、前年マイナスを強いられている。昨年のジャガイモ不足による米菓スナックへの需要増加の反動減少もあり、売上高は112億2百万円(4.0%減)。期初からは値上げの浸透に努めたものの価格競争激化の影響や物流費や燃料費など諸経費の高騰を受け、営業損失1億円となっている。

ただ、味しらべや黒豆せんべい、田舎のおかきなど主力6ブランドは5%増と伸長した。製造部門では「田舎のおかき」の自動化ライン増設による生産性向上や、「大人の新潟ひとつまみ 海老黒胡椒」などにおいて、品質保持を目的に窒素ガスを充填することで賞味期限の延長を可能とし食品ロスの削減も進めた。

経常利益については、WantWantからの株式配当金約14億円を受取配当金に計上し、大幅な増益となっている。

栗山米菓は上期売上げが対前年が100%とイーブンを堅持した。主力のばかうけが100%で推移し、瀬戸の汐揚が17%増と右肩上がりを継続する。間食健美は6%減、星たべよは8%減と低迷したが、渚あられが11%増と2ケタ伸長を達成した。これからのシーズンは、受験応援企画やひなあられ(アンパンマンなど)の季節商品に注力する。

ぼんちについては、日清食品グループ入りから決算期を変更し、4~9月の上期においては前年をやや上回る成績を収めることができた。「ぼんち揚」はスタンドパウチで辛子明太子を投入した分がプラスオンとなり、昨年から導入した6パックも、うま塩シーフードからエビマヨに切り替えて堅調に推移。味かるたは苦戦するも、ピーナツあげが好調に売上げを伸ばしている。

今年は初のファンミーティングを開催し、ゆるキャラグランプリにぼんちネコが参加するなど、従来にない取り組みを進める。今年は親会社がNHK「まんぷく」で脚光を浴びる中、8月にはぼんち揚チキンラーメン味が評判よく、11月にはラーメンパックにそっくりの5パック商品も投入し、話題性を高めている。

関東では天乃屋が、歌舞伎揚に次ぐ柱として「古代米煎餅」などつぶつぶ系がヒットとなり、コンビニ向けもち麦商品の投入も相まって好調に推移する。前年度8月期決算も数%の上乗せとなった。現在、福島に新工場・矢吹工場を建設着工に入り、さらに生産能力を高めるべく多額の投資も行っている。

金吾堂製菓は昨年7月に厚焼の1枚減量を他社に先駆けて実施したため、今年度上期は売上げが減少したが、下期に入ってから回復している。オリーブはこれまで大きく伸びた反動による影響を受けているが、発売5年となるほろほろ焼きが成長している。トータルでは前年度は前年並みで着地した。

このように各社各様の取り組みを行っているが、全体的に物流費や資材費、人件費などが上昇し、メーカー収益を圧迫している状況はどこも同じである。コスト上昇分は一部メーカー・製品で減量値上げなどを実施しているが、今後も製品価格に反映していくことが大きな課題である。

さらに米菓の場合、主原料であるコメについても、特定米穀はやや落ち着いてきたが、加工用米は30年産価格が26年産と比べて3割アップとなり厳しい環境は依然として続いている。米菓原料米の安定的な確保が米菓メーカーにとって最大の課題であり、全国米菓工業組合でも加工用米の生産促進を図るための活動に取り組んでいる。