コメ由来のゲル状新素材「ライスジュレ」 保水、乳化など多機能で食の課題解決 ヤンマー

ヤンマー傘下のヤンマーアグリイノベーション社が昨年12月から展開するコメ由来の食品素材「ライスジュレ」は、この1年で洋菓子店・ベーカリー・外食産業などで採用されてきた。今後は健康・ヘルスケア関連の食分野などでの提案も強化し普及を目指す。また、高い冷凍耐性から冷凍食品での利用も期待されている。

同社は離農・耕作放棄地の増加といった国内農業の課題に対して産地化支援事業を行うとともに、付加価値化を進めることでコメの消費拡大を推進し国内農業の活性化などを目指すライスジュレ事業を展開する。

年間一人当たりのコメの消費量は昭和36年からほぼ半減しており、同社ではライスジュレ事業でコメの需要喚起に取り組んでいる。

「ライスジュレ」はコメと水だけでできたゲル状の新たな食品素材。保水性・乳化性・増粘ゲル化安定などの機能を持っており、パンや菓子の食感改善やハンバーグや麺類のつなぎ、ソースやスープのとろみなど、さまざまな食シーンの課題を解決するという。農研機構が特許を取得している、高アミロース米のダイレクトGEL転換技術を用いた「米ゲル」をヤンマーが商品化した。

水分量を調整することで多様な加工食品に応用が可能。ゲル構造内に水や油などを囲い込む性質に優れ、保水性や乳化性といった機能を発揮、もっちり感が持続。増粘・ゲル化・安定化の機能を持つ食品添加物の代用品としても利用でき、無添加・グルテンフリーなども実現できる素材だ。既に石屋製菓「Sitoli GATEAU」、千房「豚玉 新味~グルテンフリーお好み焼き~」などで採用が見られる。

また、ビーガン、ベジタリアンだけでなく健康・美容志向者も動物性の食材を控えるトレンドもあり、ライスジュレでこれらの需要にも応えられることから、「食品メーカーと組んでそういった市場に参入したい」(橋本康治社長)と話す。

採用を検討するエディション・コウジ・シモムラのオーナーシェフ下村浩司氏は「店には海外からの客も多くグルテンフリー、動物性を避けるといった要望がある」とライスジュレの可能性に期待する。

橋本社長は「冷凍耐性も非常に高く、焼成後冷凍パンでも使える。炒飯でも注目されている」として「ライスジュレでなければできない領域に参入したい」と意欲を見せている。