砂糖消費、平成で約26%減 不満の矛先は不公平な税負担 甘味料全体での国内産糖保護へ

平成29砂糖年度(昨年10月~今年9月)の砂糖消費(主に白糖)は187万tと、前年度よりさらに2万t減った(年末に確定値)。あれだけの猛暑で飲料やアイスなどがバカ売れしたにもかかわらず、砂糖消費への恩恵はあまりなかったようだ。そもそも“平成時代”で砂糖消費は約26%減っている。競合甘味料にシェアを奪われた格好だが、単純な砂糖離れだけでなく北海道、沖縄、鹿児島の国産糖の保護財源負担により競合甘味料と価格差が大きく開いていることが原因だ。TPP関連で同負担が一歩前進した部分もあるが、甘味原料全体での公平負担の実現は次の時代に引き継がれることになる。

砂糖消費は平成27砂糖年度に8年ぶりにプラス(0.6%増、192万t)に転じたかと思ったら、翌年度は一気に大台割れの189万tに減少。そして前年度は春先までは好調に推移し、夏場もかなりの猛暑で飲料、アイスなど大口の砂糖ユーザーが歓喜に沸いている姿が見られたものの「暑すぎて駄目だった」(製糖営業)という結果に。水分補給を兼ねた商品に砂糖入りの商品を飛び越えて購買が集中したようだ。

結局、砂糖消費は前年度を上回ることなく187万tの着地。ただ、今年度(平成30砂糖年度)は農水省の試算で189万tとプラス予想となっており一進一退を続けることになりそうだ。

そもそも砂糖消費はじりじりと減少し、平成元年から30年間で約26%(68万~70万t)減っている。特に平成2年に加糖調製品(海外で砂糖を混ぜた2次加工原料)が輸入自由化されたこともあり、現在まで5倍量に拡大。異性化糖(例:果糖ブドウ糖液糖)は15%増、そのほかゼロカロリーの高甘味度甘味料などライバルも増えた。これら競合甘味料に砂糖はシェアを奪われて業界再編を繰り返してきたのが“砂糖の平成史”だ。

砂糖業界の不満は国産糖の保護財源の負担が競合甘味料にはないこと。北海道(てん菜)、沖縄・鹿児島(さとうきび)の国産糖農家を守るために、輸入糖を扱う企業に保護財源(調整金)を課すならば、同じく国産糖と競合する他の甘味原料も負担するべきだというのが一貫した訴え。平成12年には国会(衆・参議院)で「(政府は)砂糖の需要拡大を図るため、加糖調製品対策に取り組むこと」と付帯決議されたものの効果的な進展はなし。

その間も砂糖消費は減り続け、調整金負担額は500億円に膨らんだ。その金額は砂糖価格に反映されるので競合甘味料と価格差は広がるばかり。加えて砂糖消費量が減るということは必要な輸入糖も減るので、国産糖の約78万tを保護する財源を約110万tの輸入糖から捻出するという無理も見え始めている。

北海道の輪作体系を維持することや沖縄・鹿児島の離島で唯一と言っても良い産業(さとうきび栽培)を保護して国産糖を維持するならば、保護財源は砂糖だけでなくすべての甘味原料で背負いましょうというのが平成で縮小再編を余儀なくされた砂糖業界の願いでもある。もちろん、昨今の糖質オフブームや“砂糖悪者論”など極端な敬遠論もあるが、必須調味料、食品としての役割は厳然と存在する。その部分の冷静な反論をしつつ、法制度の是正を求める行動は平成の反省を得て、次の時代に引き継がれることになる。