需給のミスマッチ続く米粉

かれこれ10年近く前のことになるか、米粉が大きく取り上げられた。テリー伊藤さんを起用したテレビコマーシャルが盛んに放映され、米粉を使ったパンや麺の製品が話題となった。減少一途のコメ需要に歯止めをかけるのが狙いだった。

▼炊飯して食べるのではなく、一度粉にしたものを2次加工して食べようというもの。国内需要500万tの小麦粉の1割、50万tをパンや麺に置き換えることができれば耕作放棄地も減少し、食糧安保にも資するという考えだ。

▼ただパンや麺のできが悪すぎ、表面的には一過性のブームで終わった。水面下では製粉企業ばかりでなく、一部農協でも大量の在庫を抱え四苦八苦することになった。昨年頃からようやく在庫調整が終わり、米粉需要も上向いてきたが、今度は供給量が足りなくなった。

▼農水省は生産者と実需者を集めた情報交換会を企画しているが、生産者サイドの反応が鈍い。誰もが儲かるもの、利幅の大きいものを望み、在庫など論外なのは分かる。ただ需給ギャップはたったの5千t、この量に躊躇する生産者はいかがなものか。