政府、消費増税へ価格設定指針 還元販促禁止 値引きは可

政府は11月28日、19年10月1日に予定されている消費税率の引き上げに伴う価格設定のガイドラインを公表した。増税後の駆け込み反動減の抑制に向けた柔軟な値引き等を容認しつつ、そのしわ寄せが納入業者に向かわぬよう、監視・周知を強める。また、税別価格表示を特例として認める現行規定について「特に変更なし」と記すなど、総額表示義務の復活を危ぶむ消費財製造・流通関係者への配慮もみられる。

税別表示容認も明記

ガイドラインでは今春から政府内で解禁が検討されていた消費税還元セールについて、現行法(消費税転嫁対策特別措置法)に則って“禁止”とする一方、「10月1日以降○%値下げ」「10月1日以降○ポイント付与」などの販促を行うことは“問題なし”とした。

納入業者の税転嫁を阻みかねないストレートな消費税還元販促を規制しつつも、小売業に価格変更時期や値引きの自由を保証することで、税率引き上げ後の駆け込み反動減の抑制につなげたい考えだ。こうした小売側の柔軟な価格設定が納入業者への転嫁拒否行為を生まぬよう、14年の前回増税時に創設された転嫁Gメンによる監視などを厳格に行うとした。

加えて政府が増税後にポイント還元など消費平準化のための支援措置を予定していることから、「消費税率引き上げ前に、『今だけお得』といった形で消費者に誤認を与え駆け込み購入を煽る行為は、景品表示法に違反する可能性」があると明記。前回増税前にも問題となった過剰な駆け込み販促を厳しく牽制している。

さらに現在認められている税別価格表示についても、規定に変更がないことをあえて記載した。買い手による転嫁拒否行為の禁止や税抜価格表示の容認は、21年3月末を期限とする消費税転嫁対策特措法で定められていることだが、ガイドラインで念を押した背景には、消費財製造・流通関係者の不安を和らげる狙いがあるとみられる。前回増税以降、末尾8円等の値頃感のある価格を設定しやすい税別表示で堅調な流れを保ってきた小売業界からも「プラスのメッセージとして受け取った」(食品スーパー関係者)と好意的な声が聞かれる。