製造流通27団体 総額表示義務廃止へ結束 かつてない統一要望

日本スーパーマーケット協会、日本加工食品卸協会、食品産業センターなど消費財製造・流通27団体は消費税総額表示義務の廃止に向け、政府への統一要望に乗り出した。事業者が各々の適性に合った価格表示を自由に選択できるよう、13年10月施行の消費税転嫁対策特別措置法で特例として認められた税別価格表示の恒久化を求める。これほど多くの製配販主要団体が政府への要望で結束するのは初めて。背景には総額表示義務の復活による消費低迷とデフレ再燃に対するサプライチェーン全体の強い危機感がある。

統一要望には今年8月から事前協議を行っていた有力6団体(日本スーパーマーケット協会、日本チェーンストア協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本加工食品卸協会、食品産業センター、日本即席食品工業協会)のほか、食品・日用品・医薬品・アパレルなどの主だった製造・卸売・小売団体が名を連ねる。

各団体は今までも税別表示の恒久化に向けて所管省庁や与党に個別の要望を行っていたが、今年5月、政府が次期消費増税時の需要変動対策として総額表示の推奨を検討していることが一斉に報じられたことで、結束機運が急速に高まった。

安倍首相が臨時閣議で19年10月の消費税引き上げを表明した先月15日以降、増税時の経済対策として総額表示の推奨を掲げる動きはみられない。しかし、税別表示を認める消費税転嫁対策特措法は21年3月末に失効するため、このまま行けば2年5か月後に総額表示義務が自動的に復活する恐れもある。

総額表示が00年代の消費財サプライチェーンに与えた打撃は計り知れないものがある。値頃感の消失による消費の著しい減退に加え、税額吸収に向けた値下げ競争が繰り広げられた結果、製配販全体が長期のデフレを余儀なくされた。

27団体はこれら総額表示のマイナス影響を盛り込んだ連名要望書を既に作成済み。日本チェーンドラッグストア協会が10月下旬の公明党政策懇談会に提出したのを皮切りに、参加各団体が所管省庁や与党関係者への提出を急ピッチで進めている。

今月7日には代表幹事の日本スーパーマーケット協会が世耕弘成経済産業大臣と吉川貴盛農林水産大臣に同要望書を提出。こうした一連の動きに呼応するように、公明党は7日までに税別表示容認期間の延長などを柱とする消費増税対策をまとめた。業界結束のインパクトは大きく、増税議論の陰に埋もれていた価格表示問題にようやく光が当たった格好だ。

27団体は来月6日に第1回会合を開催し、それぞれの要望状況を確認するとともに、今後の広報活動のあり方などを話し合う方針。日本スーパーマーケット協会の調査では、税別表示が一般化した14年以降の既存店売上げが5年連続で増加する可能性が高まっており、今後はこうした価格表示の影響に関する科学的検証も進みそうだ。