大手GMSの利益改善進む SMは販管費で明暗 上期業績

2月期決算主要量販の第2四半期業績は、事業構造改革の伸長を受け、イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニーなどで利益改善が進む一方、イズミ、ライフコーポレーション、ヨークベニマルといった好調チェーンは人件費を中心とする販管費増が響き、営業減益となった。コンビニ、ドラッグ、ディスカウントストアの攻勢を受けながらも、売上げの面では比較的堅調に推移しているものの、人件費や物流・エネルギーコストの上昇が利益を圧迫している形だ。

売上高は、首都圏、近畿圏という肥沃なマーケットを主戦場とするライフコーポレーション、マルエツが順調に売上高を伸ばし、新たな店舗フォーマットの展開を進めるヨークベニマルも堅調な伸びを見せた。

GMS改革に取り組む3社の売上高は、イオンリテール微増収、イトーヨーカ堂微減収、ユニー減収となったが、営業利益はいずれも大幅な改善を見せている。イオンリテールはいまだ営業赤字が続くものの、前同からは30億2千万円改善。ちなみに、イオンリテールストア(ダイエーから承継した本州のGMS)も9億5千4百万円の利益改善とし、同社GMS部門の利益改善に寄与した。

イトーヨーカ堂は、事業構造改革の一環として衣料と住居の自営売場縮小、食品の営業強化などに注力した結果、収益性が改善した。既存店売上高が100.1%と健闘したことで微減収にとどめ、販管費を前年比3%減と圧縮したことにより、営業利益を黒字転換させた形だ。

ユニーは9店減が売上高に影響したが、既存店売上高は101.3%(客数100.2%、客単価101%)と好転。粗利率も前同としたこと、販管費を前年比5.6%減としたことなどにより2ケタ増益につなげた。

イズミはこれまで収益とも好調に推移してきたが、今上期は売上高が微減と苦戦する一方、人件費が前年比6%増と突出。売上高人件費比率も0.4ポイント上昇したことなどが響き営業利益も減益に。平和堂は微減収だったが、人件費を含めた販管費の伸びを抑えたこともあり、営業利益は2ケタ増益とした。

食品スーパーではライフコーポレーションが順調に売上高を伸ばしたものの、人件費が6.4%増と大幅に上昇したことなどが響き営業利益は減益。時給単価の高い大都市圏マーケットを主戦場とするメリットとデメリットが如実になった形だ。ヨークベニマルは人件費に加え、水道光熱費の2ケタ増が響き販管費トータルで4%増となり、2ケタ減益の要因となった。

一方、2ケタ増益となったのが平和堂とカスミ。平和堂は、全店、既存店売上高とも前年並みだったが、既存店の販管費を0.3%減と圧縮したことにより2ケタ増益としている。カスミは売上高こそ1.5%増にとどまったが、販管費の伸びを1.5%圧縮したことが主因。特に、これまで大幅な伸びとなっていた人件費を1.6%増に抑えたことが寄与したものと見られる。

GMSの構造改革、イトーヨーカ堂とイズミの提携に続く、イオンとフジの提携、ユニーのドン・キホーテ子会社化など量販業界は激しい地殻変動を起こし、他業態との競合もあり、競争は激化の一途。岡田元也イオン社長の「これまで相当程度、コンビニに負けていたが、現在はドラッグやディスカウントストアにも負けている。まったく新しいSMにどのように脱皮、転換していけるかが非常に重要な問題で、次世代のSMに置き換えていく必要がある。それにより大きな成長の絵が描けるが、現在はお客さまの変化に取り残された店舗のオーバーストア状態。新たなニーズに適応した店舗は少ない」という指摘通り。

今上期について言えば、GMSは事業構造改革、SMは増収効果や販管費の圧縮などで利益改善を図ったが、業態間競争が激化する中、GMS、SMとも新たな顧客ニーズに対応した“次のモデル”を模索中という状況。ドラッグの加工食品強化などもあり、当面、厳しい環境が続きそうだ。