チョコレート市場 高カカオはブーム一段落で踊り場も商機には事欠かず

菓子業界はここ数年、チョコレートとシリアルの2大牽引車に依存する形で成長を遂げてきた。それぞれ付加価値で単価アップを実現したことも大きい。5年以上も小売金額の伸長率が、生産金額の伸長率を上回ってきたことがデフレ脱却の糸口として注目を集めてきた。それも今年は相次ぐ台風に猛暑、大地震と未曾有の天変地異に市場も揺れ動いている。

消費動向としては、インバウンドの2大聖地といえる大阪と北海道の主力空港が一時期とはいえ使用不能になった影響は無視できない。特に近畿圏の消費の落ち込みはボディブローのように効いた。チョコについては、今年度上期は前年並みに消費動向が落ち着いた。ブームを巻き起こしてきたハイカカオが踊り場に差し掛かっている。

チョコ市場は高カカオの健康効果に脚光が集まり、無垢カテゴリーの高成長を生んできた。それも降ってわいたという話ではなく、メーカーの長年の研究成果が世に認められ、新たな需要獲得に結びついてきたことが要因である。平成29年度のチョコ市場は、生産数量5.7%増、生産金額4.5%増、小売金額4.6%増となり、ここ数年で最も高い伸び率を示している。

一方で、チョコであれば何でも売れたわけではなく、一時期のチョコスナックの商品開発は下火となり、無垢や徳用大袋などが成長を支えてきた。数年前には主原料であるカカオ豆価格の高騰やナッツ関係の大幅な値上がりにより苦境にあえいでいたが、値上げや減量などの規格変更を実施することで、何とか壁を乗り越えて今日に至っている。

いずれにしても、もともと日本のチョコレートは品質レベル的に海外からの評価も高く、安く売り過ぎてきた嫌いがある。将来的に国内市場を展望しても、少子高齢化では大量安値販売では対応に限界が来ることも、歴然としていることは間違いない情勢だ。既存品は適正利益の取れる価格を維持し、価値ある新商品で付加価値を提案しようとする、明治やロッテ、江崎グリコをはじめとする大手企業の商品開発および販売姿勢は中長期視野からも的を射たものといえる。

よって、現状のハイカカオ市場は前年比6掛けとも7掛けとも言われるが、それも昨年が高伸長だったことを考慮すれば、それほど慌てる話ではない。むしろ、今後を盤石にするための新たな商品施策や健康に関するエビデンスなど、不断の努力が業界には求められているといえよう。

ここ数年、日本国内でもバレンタインシーズンに行われているサロン・デュ・ショコラの盛況ぶりを拝察すると、チョコレート人気は高まる一方である。ただバレンタインでは市販品というよりはギフト・銘店関係に商機が高い。10月末のハロウィンも、世を騒がす数々の問題を引き起こしているとはいえ菓子業界にとっては朗報でもあり、もはやクリスマス商戦を抜いていると言われるほどに活気にあふれている。春季催事の穴を埋めるイースターについては、分母は低いもののいまだ成長過程にあり、プラス要因しか見当たらないとも言われる。

大手・中堅のメーカー各社は、チョコの生産設備には継続して投資を行う中長期計画を公表しており、菓子業界、特にチョコレートに関しては、それほど悲観することはない。健康志向のチョコ分野は前年比4%増程度と引き続き伸長している様子である。むしろ、これからの業界の取り組み次第によるところが大きいと考えられる。