常識にとらわれず独自開発 Tree Fieldのスペシャルティコーヒーマシン

Tree Fieldがコーヒー業界の常識にとらわれずに新しい発想で開発したのが、全自動スペシャルティコーヒーマシン「FURUMAI」。

9月に開催されたコーヒーの展示会「SCAJ2018」で初公開されたが、市場導入は来秋を予定。現在、スペックの見直しや販売戦略などを練り上げている段階にある。

同マシンは、木原海俊社長がコーヒー市場の成長性に着目して開発されたもの。同社は3年前にコーヒーマシンのプロジェクトを立ち上げ、コーヒーコンサルタントの阪本義治氏が指南役となり、水面下で開発に着手。今年7月、同マシンを公開できる段階に達したことで同社を設立した。

駆動式チャンバー㊧とダブルグラインダー(FURUMAI)

「木原が自分の足で回り面白い市場と感じたという。木原は、ワインのように、おいしいコーヒーが今後のトレンドになると予想し、おいしい豆を一番おいしく淹れられるマシンをつくりたいと感じたのが起点。マシンで一石を投じようと思ったところからスタートした」と説明するのはTree Fieldの寺沢篤史営業企画部部長。

特徴の一つが、ハンドドリップの役割を果たす駆動式チャンバー。「本来、物を動かすのは故障を招きやすく避けられる傾向にあるが、駆動物にも挑んだ」という。

チャンバーでは蒸らし工程後、設定ごとの多彩な振り方で抽出されたコーヒーを攪拌し、見る者を楽しませるという副次的効果も期待される。

「FURUMAI」は、焙煎されたスペシャルティコーヒーをトップバリスタと同等の技で抽出できる。コンセプトモデルでは、岩瀬由和氏、ステファノス・ドマティオティス氏、バーグ・ウー氏のバリスタレシピと阪本氏のレシピの4つを予定している。

抽出中には画面で農園を紹介
抽出中には画面で農園を紹介

そのほかコーヒー上級者向けにコーヒー豆の種類別にカスタマイズも可能。「苦味・酸味・甘味など豆に合わせて12項目設定できる。設定項目は今後30項目に増やすことも考えている。コーヒーに詳しくない人は推奨レシピのボタンを押せば簡単にできる。詳しい人にもそうでない人にも対応できるのが強み」(富樫和輝営業企画部マネージャー)だという。

コーヒー豆を挽くグラインダーはダブルグラインダーと称し上下に2機搭載。これにより「1機で荒く2機で細かく挽くことで熱の発生を分散させ、粒度を均一にする。加えて、1機と2機の間にある筒を通じて薄皮(シルバースキン)が吸い込まれる。除去量は、薄皮が残っている方が良い豆もあるので調整できる」という3つの機能が発揮される。

着脱式のコーヒーホッパー㊤と一杯分の投入口

これまでありそうでなかったものでは、着脱式のコーヒーホッパーや一杯分の投入口が挙げられる。

これについて「既存のコーヒーホッパーは固定され上から継ぎ足していくので手間がかかる。着脱式にすることで細かい鮮度管理を可能にし、1杯1千円以上する高級豆については1杯分ずつ入れられる専用の投入口を設けた」と語る。

コンセプトモデルの抽出時間は70~80秒。この間、タッチパネルで静止画や動画で産地や生産者のインフォメーションを流すこともできる。「コーヒーは、カップに至るまでのストーリーも重要だと考える。製造工程は意外と知られておらず、コーヒーの奥深さを知ってもらいたい。カフェのスタッフなどもこれをもとにお客さまと話ができると思う」(福田祥平営業企画部プロモーション担当)。

「SCAJ2018」に出展以降、多くの問い合わせが寄せられているという。「カフェや喫茶店をはじめスペシャルティコーヒーや最高級豆に特化した市場を開拓していきたい。お客さまのご意見を聞きながら機能を精査し、販売方法も詰めていく」(寺沢部長)。