消費税軽減税率問題 リベート解釈難航 センターフィーは標準適用?

19年10月に導入される消費税軽減税率制度への対応を巡り、新たな課題が発生している。同制度では「商品を特定できる売買取引」を軽減税率の対象としており、飲食料品に明確に紐付けできる値引・割戻しなどの税率も8%になるが、食品のリベートの中には、商品との紐付けが曖昧だったり、売り手と買い手の認識が異なるものも多い。日本加工食品卸協会(日食協)はこうした取引実態に沿った税率判定のあり方を財務省・国税庁に確認し、業界への情報提供を急ぐ。

日食協が情報整理・提供へ

26日に都内で開催された日食協情報システム研修会で協会軽減税率対応システム専門部会の大久保敏男座長が今後の重点課題の一つに挙げた。

それによると、軽減税率制度では飲食料品の販売に紐付けできるリベート(値引・販売奨励金・価格補填など)が軽減税率(8%)、紐付けできないリベート(役務・廃棄・物流費・センターフィー・EOS手数料など)が標準税率(10%)となるが、メーカー―卸間・卸―小売間で恒常的に運用されているリベートの中には、こうした線引きが難しいものも多い。

たとえば、複数の飲食料品と標準税率の酒類をまとめた取引総量に対する条件の場合、「商品価額の比率で按分して各々税率を計算しなければならない可能性がある」(大久保氏)。また、企業によっては販売奨励金に商品に紐付かないPOP代やマネキン代を含めている場合もあり、軽減税率制度の導入に合わせて価格・取引制度の見直しが迫られるケースもありそうだ。

センターフィーの取り扱いも非常に難しい。政府の基準では標準税率の施設利用料に区分されているが、売上げに応じて発生する通過料と考えれば、商品に明確に紐付く軽減税率対象の売買取引であるという解釈も成り立つ。

日食協専門部会はこうした税率判定の難しい事例を整理し、財務省・国税庁への確認を経て対応方法を業界に発信していく方針。また、売り手と買い手が各種リベートに関する解釈の違いを放置し続けた場合「23年10月のインボイス制度への移行時に大幅な差異が発生」(大久保氏)し、仕入税額控除に支障を来す恐れがある。このため、専門部会ではリベートの解釈を巡る取引先との協議や契約の見直しを卸各社に呼びかけていく考えだ。

なお、26日の情報システム研修会では大久保氏のほか、日食協の卸業界向け標準トラック入荷受付・予約システムを開発した富士通幹部らが講演。卸関係者ら35社110人が出席し、IoT等の最新情報を共有した。