「豆乳をアイスに」 SNSで話題、豆乳飲料急伸

果汁入り・フレーバー付の豆乳飲料が息を吹き返している。4月末のSNSに端を発した豆乳飲料を凍らせて食べる豆乳アイスの発信が主要因。これにより豆乳(調製豆乳・無調整豆乳・豆乳飲料)全体でこれまで手薄だった20・30代の新規ユーザーが多く流入したとみられる。豆乳の生産量は昨年、33万9千tを記録し7年連続で過去最高を更新。種類別では、過半を占める最大ボリュームの調製豆乳が横ばい傾向にあり、無調整豆乳が16年に構成比で豆乳飲料を抜き現在3割弱を占め伸び盛りとなっている。近年、微減か横ばい傾向にあった豆乳飲料がここにきて急浮上したことで豆乳全体の勢いに拍車がかかっている。

キャップ付き容器は破竹の勢い

豆乳アイス発信の恩恵は、トップメーカーのキッコーマン飲料が一身に受けたとみられる。

同社の豆乳飲料はスーパー・量販店の棚を席巻し、その他の販売チャネルでも新商品や定番フレーバーが置かれ、買い場が整っているためだ。同社の豆乳生産量シェアは17年暦年で52・2%。現在、豆乳全体で42品種をラインアップしている。

アイス提案により4―6月累計の豆乳飲料市場は、金額・容量ともに前年同期比2ケタ増と息を吹き返した。この中で、キッコーマン飲料は5―8月で約2割増となり市場を牽引。

同社は4月末からの話題沸騰にいち早く対応。「凍らせて本当に大丈夫なのか?」などの疑問に応えるべく、専門機関で実験を行い一般的な冷凍庫で冷凍しても破裂したり中身が漏れたりする可能性がほぼないことを確認した。

現在は、この結果を踏まえ、キッコーマン豆乳のHP内に「豆乳アイス情報局」のコーナーを開設し、Q&Aやメニュー提案、社員によるフレーバー人気ランキングを公開。「凍らせるのも平たくいうと料理だととらえて積極的に推奨している」(荻生康成チルド営業本部営業企画部企画グループグループ長)。

フレーバー展開に関しては「豆乳が持つバックグラウンドを押さえた上でユニークなものを展開していきたい」との考えの下、お菓子やデザートのフレーバーに集約する方針を掲げている。

2月には「チョコミント」がヒットし、8月には「マロン」「焼きいも」「おしるこ」の季節限定3品と並ぶ“和スイーツ”感覚で飲めるものとして「よもぎ餅」を新発売した。

これに対し2番手のマルサンアイは「ハローキティ豆乳飲料りんごはちみつ」「同 紅茶」「ことりっぷ豆乳飲料 黒ごまさつま」を新発売した。

キャップ付き容器で破竹の勢いなのがスジャータめいらく。豆乳飲料をメーンとする同社のキャップ付き330㎖豆乳類は前期(3月期)353%増と急拡大し、上期も123%増と好調を維持。中でもひときわ好調なのが「有機大豆使用 きなこ豆乳飲料」と「同 バナナ豆乳飲料」の2品。

9月24日に新発売した「有機大豆使用ほうじ茶豆乳飲料」も出足上々で「当初予定よりも導入店舗が増え、目標の2倍以上で好調な滑り出しとなっている」(スジャータめいらく)。

日本テトラパックがメーカー向けに提案する豆乳容器
日本テトラパックがメーカー向けに提案する豆乳容器

日本テトラパックは、豆乳市場のさらなる活性化に向けて、容器と加工処理の両面をメーカーに提案。「牛乳や野菜・果実飲料にも新容器が登場しており、豆乳棚にも変化があってもよい時期」(丹羽恭子マーケティング部マーケティングマネジャー)とみている。

小型容器では「テトラ・プリズマ・アセプティック ドリームキャップ」、大型容器では他カテゴリーで流通している「テトラ・ジェミーナ・アセプティック」や「テトラ・ブリック・アセプティック エッジ」などを取り揃えている。

市場拡大には、製造キャパシティへの対応だけでなく、スムージーのような食事代替のスナッキング商品やプロテイン飲料、調理用ソースといった新コンセプトの商品による新たな飲用機会の創出も重要だと指摘する。