中四国スーパー イオン軸に再編進む フジと提携、SM3社は統合

イオンを軸としたSMの再編が中四国地方で進行する。先週、MV西日本(マックスバリュ西日本)、マルナカ、山陽マルナカの3社が来年3月の経営統合を発表。その2日後にはイオンとフジが資本業務提携で合意し、取引先の卸やメーカーからは相次ぐニュースに驚きと不安の声が上がった。

当初、SM3社の統合が明らかになった時点では3社合計で5千億円強の売上高を2025年に7千億円まで高めるという方針が示された。これに対し取引先からは「あとの2千億円は複数のM&Aによって上乗せするのでは」(卸幹部)という推測も聞かれた。

MV西日本は9月に広島電鉄の小売部門、広電ストアからSM5店(売上高70億円規模)を譲受したが、2千億円を上乗せするにはもっと大きな500億円程度のM&Aがいくつか必要になるという見方だ。しかし、フジが加わることで一気に「2021年に1兆円」という強力な目標が打ち出された。

フジとイオンの提携には「予想外」という反応が大勢を占めるが、一方で同じ中四国に展開するイズミが今年4月、セブン&アイHDと業務提携しており、「フジにとっては、イオンと組むしか選択肢がなかったのでは」(NBメーカー)という声も聞こえてくる。フジの尾崎英雄会長も提携の会見で「(人口減の中)自分たちだけで地域の生活を支えるのは難しいと考えた」と説明している。

取引先の不安と懸念募る

フジの地盤である四国は、山陰とともに、人口減少と高齢化の先進地域と久しく言われてきた。最近はスーパーが客数減少の理由として、DgSなどの出店による競争を挙げることも多いが、当エリアではむしろ「足下商圏の人口が確実に減っている」(卸幹部)という指摘の方が現実的である。

四国に拠点を置くNBメーカーの支店長は「四国では地場企業との取引もまだ多い。だが、フジとイオンがバイイングパワーを発揮すれば、それ以外のSMとの価格競争力の差が一層広がるだろう」と、さらなる淘汰が進む可能性を挙げる。

また、山陽マルナカのPB商品を製造する岡山のメーカーは「今後、規模が大きくなりPBの方針が変わると、取引を継続できるか不安。価格優先の戦略を取られると地方メーカーにとっては苦しくなる」と懸念する。

ただ、フジとイオンの提携では、中四国オリジナルPBの開発が協業の一つに挙げられている。「圧倒的な地域貢献ができる体制を作る」(イオン・岡田元也社長)という考えは当然、価格競争力を強めるだけでは実現できない。縮小する市場において、提携の強みをどう発揮し“地域貢献”を実行するのか注目される。