品質系情報授受、効率化へ前進 JII共通基盤の詳細確定

卸業界向けの共通商品マスタ管理会社、ジャパン・インフォレックス(以下、JII)は19年4月のシステム刷新に合わせて開始する品質系情報授受サービスの詳細を固めた。同社商品データベース上で賞味期間やアレルギー物質の有無など主要項目の登録・閲覧を可能にするもので、情報更新通知を利用者に配信する機能を設けるなど、流通各層の正確で迅速な情報伝達にも配慮する。

JIIは220万件超の商品マスタ情報を保有する国内最大の消費財商品情報共有プラットフォーム。メーカーがJIIに登録したコード・荷姿などの基本情報を食品卸各社が共同利用するシングルインプット環境が実現したことで、商品の発売・改良のたびにメーカー・卸間で恒常的に発生していた商品マスタ情報授受業務は大幅に縮小した。

しかし、原材料・産地・賞味期間・栄養成分といった品質系情報に関しては、依然として業務負荷の高い個別企業間の情報授受が行われている状況だ。

JIIの新サービスはこれをマスタ情報と同様のシングルインプット環境に移行させ、製配販全体、とりわけ品質系情報の整備・提供に過大な負荷が生じているメーカーの業務効率化を目指すものとなる。

登録可能項目は食品製配販大手企業など44の企業・団体で組織する商品情報授受標準化会議が13年に策定した「PITS標準項目」に準拠。同項目群は賞味期間、アレルギー物質の使用の有無など、基本127項目に絞り込まれており、小売業などがPB委託先などに求める詳細情報(原料配合比率など)は含まれていないが、基本項目の授受がシングルインプット方式に移行するだけでも省力化効果は大きいとみられる。

JIIはこの新サービスを16年4月に統合したFDB(ファイネット商品情報データベース)の新機能としてFDB加盟メーカー(265社)に提供する方針。FDBでは従来も品質系情報の登録サービスを行っており、NB大手を中心とする加盟メーカーも自社商品の登録を継続的に行っているが、スペック変更時の更新基準や通知の運用が曖昧で、卸などの受け側は活発に利用していない。

新サービスでは16年から行ってきた準備会議でのメーカーらの要望などに基づき、データ利用者のダウンロード履歴をメーカーにフィードバックする機能や更新通知の配信機能などを装備。品質系情報の正確で迅速な伝達をサポートする。

なお、新サービスを通して登録された品質系情報は、FDB及びJIIに加盟する各流通企業がマスタ情報と同様に利用できる方向になりそうだ。JIIからマスタ情報を取得する卸・小売企業はこのところ増加傾向にあり、今年から食品スーパーのヤオコー、オーケーも会員として利用を始めている。新サービスの普及により、品質系情報の収集に苦慮する小売業や業務用卸の加盟・利用が進むことも予想される。

JIIは既にFDB加盟メーカーと利用側に位置する卸の実務者に新サービスの詳細を告知しているが、業界経営層への理解に弾みをつけるべく、来月1日に業界幹部層ら約200人を都内ホテルに集め、説明会を行う予定だ。