コーヒー、アートとともに 音楽、映画、写真の力で「コト」に踏み込んだ提案多彩

「国際コーヒーの日」である10月1日前後からコーヒーの提案が活発化している。活性化の傾向としては、新規性のほか自分で淹れる楽しさや産地の細かい情報提供など“コト”に踏み込んだ提案が多く見られる。

家庭用商品の新規性で今年まず挙げられるのがお湯出しのコーヒーバッグ。定着化が図れている水出しのコーヒーバッグに続くものとして各社が注力している。

キーコーヒーは14日までの期間限定で、銀座ロフト常設のカフェカウンターでマイボトル専用コーヒー「まいにちカフェコーヒーバッグ」をアピール。

同商品の最大の特徴は、コーヒーバッグに特殊フィルターを採用しコーヒーバッグを入れっぱなしにしても一定以上味が濃くならない点にあり「オフィスで需要がありそうだ」と期待を寄せるのは島田健吾銀座ロフトホームソリューションチーフ。

「ラルゴ」を音楽や花とともに(UCC上島珈琲)

お湯出しのコーヒーバッグはスーパー、量販店からの引き合いもあり「UCC BEANS&ROASTERSコーヒーバッグ」(UCC上島珈琲)や「ネスカフェ 香味焙煎」の「DIP STYLE」(ネスレ日本)とともに陳列される傾向にあるという。

UCC上島珈琲は、9月26日から3日間開催された展示会「SCAJ2018」で業務用レギュラーコーヒー豆製品ブランド「ラルゴ」を音楽や花など生活に身近なものと組み合わせて提案した。29、30日に開かれた「東京コーヒーフェスティバル2018Autumn」にも出展して「ラルゴ」をアピールした。

取引関係にある生産者や農園をフィルムに収めて28日にユナイテッド・シネマ・アクアシティお台場で上映会を開いたのは丸山珈琲。その狙いを丸山健太郎代表は「映像に映っているのは私が産地に行って感じたこと。私にはこのように見えるということを皆さんとシェアしたい」と語った。

映像と音楽で世界観を表現(丸山珈琲)

上映会場には作品に登場する各地の生産者を招待し、同社のバリスタが世界大会に挑戦するまでの過程を収めたドキュメンタリー映像の上映や作曲家・浜渦正志氏による弦楽7重奏の生演奏も行われた。

音楽による話題性では、味の素AGF社の「ブレンディ」スティックが好発進となった。同商品のCMキャラクターである岩田剛典さんが初めて歌を公にしたことが世間の耳目を集めSNSで情報が拡散しているという。

毎年フォトコンテストを実施して、写真の力でコーヒーの価値啓発と消費喚起を図るのは全日本コーヒー協会。29日、同コンテストの表彰式で横山敬一会長は「今回で3回目の開催となり毎回レベルが上がっている。受賞作品はICO(国際コーヒー機関)のHPにも掲載される。世界中の人に見てもらいたい」と述べた。

写真の力でコーヒーの価値を啓発(全日本コーヒー協会)
写真の力でコーヒーの価値を啓発(全日本コーヒー協会)

ネスレ日本は、スペシャルティコーヒーのニーズの高まりを受け「ネスカフェ 香味焙煎」で「DIP STYLE」を新たにラインアップに加えるとともに既存品を全面刷新。バリスタの粕谷哲氏をアドバイザーに迎え、厳選された希少コーヒー豆を使って開発された「濃厚 クンディナマルカ ブレンド」「円やか ジャガーハニー ブレンド」「鮮やか ルウェンゾリ ブレンド」の3品を発売している。

コーヒーマシンやIoT機器によるライフスタイルの提案も行われている。ネスレ日本は、シニア層に向けマシンの分かりづらさの解消を図った「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ シンプル」を訴求している。

デロンギ・ジャパンは10月1日、都内で全自動コーヒーマシンを含めた新製品を一堂に会してホームパーティーをコンセプトにした体験会を実施した。そこで冒頭あいさつした杉本敦男社長は「ポジティブな気持ちが人から人へと伝わっていくような生活空間をデロンギとともにつくってもらいたい」と意欲をのぞかせた。

パナソニックは、家庭用コーヒー焙煎機と専用アプリを使った「The Roast」を進化させる。世界チャンピオンの焙煎士が作成した焙煎プロファイルをなぞるだけでなく、独自の焙煎プロファイルをつくれる機能を追加するという。