カリフォルニア・アーモンド 大地の恵みをたずねて㊦ 「健康のために食べる」 市場成長支える意識変化

今も収穫面積が年々拡大を続けているカリフォルニア産アーモンド。現在、100万エーカー強の農地は、今後5年以内に30%増える見通しだ。背景にあるのは世界需要の安定的な成長であり、日本は過去10年、常に輸出量で上位を占める。

「新製品に使われるナッツとしてアーモンドは常にトップの座にあり、他のナッツとの差は年々開いている。中でも日本はアーモンド新製品の発売数でアジア1位。日本で発売された製品は、他のアジア諸国でも発売されることが多い」。カリフォルニア・アーモンド協会でトレード&リサーチを担当するハービンダー・マン氏は、日本市場の重要性についてそう説明する。

「従来はアーモンドをそのまま使った製品が大半だったが、米国では近年、ミルクのほか、チーズ、ヨーグルトなども含めアーモンドを主原料としたさまざまな製品が開発されるようになってきた。サスティナビリティーの観点から、肉の代用として使われることも増えている」(マン氏)という。

ハービンダー・マン氏(カリフォルニア・アーモンド協会)
ハービンダー・マン氏(カリフォルニア・アーモンド協会)

近年のアーモンド市場の成長を支えるのが、“ヘルシースナッキング”意識の高まりだ。

「何も考えずにスナックを食べる人たちの一方で、健康のためにそれを食べる人たちがいる。こうした心身や文化のため、あるいは社会的な目的を持ったスナッキングが米国では全体の80%を占めるようになっている」。協会で日本・韓国市場開発を担当し、栄養士の資格も持つミュリエル・キム氏は語る。

現地スーパーのアーモンドミルク売場
現地スーパーのアーモンドミルク売場

こうした層がヘルシーなスナックとして着目したのがアーモンド。日本でも以前はおつまみとしての用途が主流だったが、女性を中心に「健康のために食べる」人たちが増えたことで、市場はこの10年で大きく躍進を遂げた。

同協会が8月から開設した日本版公式Webサイトでは「Eね!アーモンド」として、手のひら一杯分のアーモンド(約23粒、30g)には、抗酸化作用が強く美容に欠かせないビタミンEが8.6㎎含まれることなどをアピール。ほかにアーモンドの基礎知識や栄養価に関する調査データ、食卓に役立つオリジナルレシピも紹介している。

ミュリエル・キム氏(カリフォルニア・アーモンド協会)
ミュリエル・キム氏(カリフォルニア・アーモンド協会)

「アーモンドは良質な脂肪分を豊富に含み、コレステロール値を下げる効果が明らかになっている。糖尿病予防の観点からは、食物繊維が多く高たんぱくでありながら糖分が少ない点もメリット。ほかにも多くの有用な成分を含むが、協会としては日本人に不足しがちなビタミンEにポイントを絞ってお伝えしていく。また目的を持ってスナックを食べる人たちには、たんぱく質、食物繊維についてもしっかり伝えていきたい」(キム氏)。

カリフォルニアの大地の恵み、アーモンド。その可能性は、これからもさらに広がっていきそうだ。(おわり)