ヤマザキグループ 吉田住吉工場が竣工 チルド包装惣菜、グラタン事業拡大へ

「垂直統合型」商品づくりを進化

総合惣菜メーカーのヤマザキは、グループ総合研究所敷地内に建設を進めていたヤマザキグループ吉田住吉工場が竣工。今月中旬から順次稼働を開始した。チルド包装惣菜工場、原菜加工センター、グラタン工場を1か所にまとめた新拠点で、合理化と生産性向上を実現。畑から工場、そして食卓までをつなぐ『垂直統合型』商品づくりの仕組みを進化させ、さらなる成長を目指す。

同社は昨年、静岡県榛原郡吉田町住吉地区にグループ総合研究所を開設。家庭料理の商品化を支えるうえで重要となる、原料野菜の栽培技術からメニュー開発・生産技術・品質保証体制などの機能を強化し、畑から食卓までをつなぐ「垂直統合型」の商品づくりを推進してきた。

そして今夏、グループの新たな生産拠点となる吉田住吉工場が完成した。総合研究所の敷地内には研究開発・マーケティング部門のほか、野菜の残渣を土づくりに生かす循環型の堆肥工場や原料野菜の試験農場を構え、グループの一大拠点としての機能を整えた。

吉田住吉新工場は「チルド包装惣菜工場」、原料の前処理や野菜加工などを行う「原菜加工センター」、グループ会社のユニフーズ「グラタン工場」の3つの生産棟が1つの建屋にまとまった工場で、グループ生産体制の増強と合理化につなげる。

NB「もう一品」シリーズやPBなどを製造する、チルド包装惣菜工場の生産能力は日産14―16万食。近隣の川尻工場で5アイテム・日産6万食を製造していたが、これを新工場に移管し、製造品目数を16アイテムに拡充。旭川工場や吉田大幡工場のアイテムも一部移管し、各工場の生産性をさらに高め、新製品の開発も強化する。

「原菜加工センター」はチルド包装惣菜、グラタン工場で使用する原料野菜の受け入れ・保管から、前処理を集中して行う。原料野菜はにんじん、かぼちゃ、玉ねぎなど1日10tからスタートし、今後は20t程度まで処理能力を引き上げる。前処理工程の集中化による合理化に加え、素材の持ち味を最大限に発揮するための保管・冷蔵方法やカット技術を高め、品質の安定化と向上につなげる。既存の過熱蒸気加工の設備を一新し、野菜ペーストやソース、スープなどの新製品開発も強化する。

ユニフーズのグラタン工場は、大手CVS向けのチルドグラタンを製造。グラタンは30年前から手がける柱商品で、主力拠点のユニフーズ川尻工場の機能を移管。生産能力を従来の2倍に増強する。

同社のグラタン製品は、酪農家から直接仕入れた生乳から自社でホワイトソースを作り、出来立てのソースと具材をじっくりと焼き上げるのが特徴。チーズも原木から工場でカットし、ブレンドするこだわり。新工場は10t×3本の生乳タンクを完備し、静岡と北海道の酪農家から生乳を調達。長年のノウハウと最新設備でさらなる品質アップを実現し、グラタン売場の活性化に貢献する方針だ。

また、グラタンは新工場の稼働に伴い、従来の川尻工場は自社ブランドの冷凍グラタン工場として活用する。量販店デリカ向けのフローズンチルド製品など、グループの展開領域を広げる方針だ。

「新たなチャレンジ」

山崎寛治会長㊧と山崎朝彦社長(ヤマザキグループ)
山崎寛治会長㊧と山崎朝彦社長(ヤマザキグループ)

山崎朝彦社長は「30年前にグラタンをスタートしたが、その出発点は1台のインピンジャーオーブンを購入し、何を作るかも決まっていなかったが、耐熱性の新容器でグラタンを作ったところ、予想以上に売れたという。会長、副社長が若い時に新しいことにチャレンジし、多くの方々の支えで今日のグラタン事業がある。現状に決して満足せず、常に商品を磨き上げ、新しいことにチャレンジすることが大事であり、当社グループは大きな可能性を秘めている。新工場は新たなチャレンジの拠点であり、この工場をしっかりと活用し、拡大する中食惣菜需要にしっかりと対応し、お客さま、社会に役立つ事業を展開していきたい」と決意を語った。

新工場の概要

所在地=静岡県榛原郡吉田町住吉5437-66

敷地面積=1万925㎡、延床面積1万2千868㎡(地上2階建て)

工場棟=㈱ヤマザキ吉田住吉工場、原菜加工センター、㈱ユニフーズ本社工場

生産品目=惣菜、グラタン、野菜処理加工