ヤクルト本社「事業活動そのものがCSR」 山田勝土CSR推進室室長に聞く

ヤクルト本社は18日、ヤクルトグループにおける2017年度のCSR活動の実績や課題などをまとめた年次報告書「ヤクルトCSRレポート2018」をホームページ上で公開した。

レポートではCSR活動を体系的に整理し、国際トレンドであるSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)について、「CSR行動計画」との対応関係を明確にした。そこで山田勝土広報室CSR推進室室長に聞いた。

――CSR活動の考え方は。

山田勝土室長(ヤクルト本社)
山田勝土室長(ヤクルト本社)

山田 ヤクルト本社は地球環境全体の健康を視野に入れ、すべての事業活動を通じて「世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献」したいという思いを込め、コーポレートスローガンを「人も地球も健康に」と制定。つまり事業活動そのものがCSR活動と考えている。

CSR活動はISO26000の7つの中核主題に即して活動を体系化しており、「健康」「地域社会」「環境」を重点3領域に位置付けている。

これを企業活動に落とし込むと、第一にお客さまの「健康」と楽しい生活のための消費者課題、次は地域とともに発展していくためにコミュニティへの参画およびコミュニティの発展を目指した「地域社会」、そして地球環境保全のための「環境」が重要テーマになっている。

――SDGsやESGとの関係性は。

山田 国際トレンドであるSDGsやESGの観点も意識しながらCSRに取り組んでいる。有識者の中にはCSR活動を投資家視点でとらえたのがESGだとする人もあり、当社はCSR全体とESGにも対応していることが特徴だ。

ESGが投資家の評価を得るには、しっかりした活動を見せることで、そのために活動は体系的に整理している。

SDGsの17項目のうち、「すべての人に健康と福祉を」は当社の活動そのもので対応、「ジェンダー平等を実現しよう」はヤクルトレディが推進、「生き甲斐も経済成長も」は事業の生産性を高め、生き生き働くこと、「つくる責任つかう責任」は調達などサプライチェーン全体で対応。

SDGsを持続可能な社会の実現のための世界の共通課題として取り組むべきものととらえ、CSR行動計画の中にSDGs達成への貢献の観点も組み込んでいる。

――具体的な取り組みは。

山田 コミュニティへの参画には「出前事業」や「健康教室」「愛の訪問活動」などがある。「出前事業」は小学生を主な対象に、「早ね、早おき、朝ごはん、朝うんち」をテーマに、いいうんちを出すための生活習慣について分かりやすく伝える出前授業で、17年度の実施回数は3千800回、参加者は27万人に上る。

社員が学校に出向き、お腹の健康を楽しく学んでもらうもので、小腸の模型を使って腸の重要性など学習。先生はお腹マスターという認定者だけができる。また、高齢施設等では大人向けの「健康教室」も実施。腸の大切さやプロバイオティクスなど幅広いテーマで開催し、場所によっては数か月待ちの状態となっている。

「愛の訪問活動」は、ヤクルトレディが商品を届けながら、一人暮らしの高齢者の安否を確認したり話し相手になるという活動で、1972年から続いている。この活動は、福島県郡山市の一人のヤクルトレディが、誰にも看取られずに亡くなった一人暮らしの高齢者の話に胸を痛め、担当地域に暮らしている一人暮らしの高齢者に自費で「ヤクルト」をお届けしたことが始まり。

今年3月現在で全国131の自治体等から要請を受け、約3千人のヤクルトレディが約4万人の高齢者宅を訪問している。