消費財物流合理化へ新会社 伝票電子化など支援 JPR

レンタルパレット最大手の日本パレットレンタル(以下JPR)は食品など消費財業界のペーパーレス化を促進する新会社を立ち上げた。来春にも電子納品伝票の作成・運用や紙伝票の電子データ化をサポートするサービスを開始し、流通各層の物流周辺業務の合理化につなげる。

新会社はTSUNAGUTEの名称で今月3日に設立。資本金1億円。JPRでP研(加工食品メーカーなど317社が加盟する物流効率化推進組織)の事務局などを手がけてきた岡部利文氏が初代社長に就任した。

JPRは今年4月、同社製パレットの利用状況管理に用いるクラウドシステム「epal」にスマホと連動した伝票電子化機能を追加。これにより、メーカー―卸間で発生していたパレット伝票の作成・管理・保管業務を大幅に削減できるようになった。「既に食品メーカー約150拠点、食品卸30拠点強がペーパーレス方式に移行しており、今後は日用品業界にも広がる見通し」(TSUNAGUTE取締役・二村篤志氏)だ。

新会社ではこの技術を活用し、消費財事業者間取引で用いられる各種紙伝票の電子化を支援する。第1弾として来年4月にメーカーなどが出荷データから電子納品伝票を発行できるサービスを開始。合わせて膨大な既存紙伝票の電子化および保管サービスも提供する。これにより、メーカー営業倉庫や卸物流拠点の帳票管理負荷の抑制につなげる考えだ。

特に複数メーカーの物流業務を受託する中小規模の地域共同配送会社などでは、急速な人手不足を背景に紙伝票の作成・管理負荷が高まる方向にあり、生産性向上の観点からもペーパーレス化のニーズは大きいとみられる。

ただし、食品業界ではスーパーを中心に標準EDIシステム「流通BMS」を活用して紙の納品明細書の授受を廃止する動きがある。紙伝票についても業界標準書式のチェーンストア統一伝票と酒類食品統一伝票が広く普及している状況だ。また、味の素など大手食品メーカー6社が利用する共同物流会社F―LINEも昨春の事業開始に合わせて各社の納品伝票書式を一本化するなど、効率化に向けて足並みを揃える動きが目立つ。こうした標準化や企業間協調の流れに沿わないペーパーレス推進基盤が乱立した場合、全体最適化の足かせになる恐れもある。

JPR新会社はこの問題を重視。パレット事業で培った中立的な立場を生かし「丁寧に情報を収集して全体最適型の事業を目指す」(岡部社長)とともに「中小にも標準化・合理化の恩恵が行き渡るようなフォロー体制を組む」という。