チルド麺市場 ダウントレンド続くも2食高付加価値タイプ好調 新たな需要開拓に邁進

ダウントレンドが続くチルド麺市場だが、2018年上期(4~7月)のチルド麺市場は前年並みと健闘した。ただ、初夏の高気温などが寄与した冷し中華が前同を3ポイント程度上回り牽引したほかは、ラーメンが前年並み、和風(うどん、そば)、焼そばは前年割れと明暗が分かれている。1~2人世帯の増加、簡便・即食志向の加速もあり、調理に手間のかかるチルド麺は即席カップ麺、冷凍麺、惣菜等々の侵食を受け守勢を強いられているが、最大の特徴であるおいしさを訴求した商品やチルドならではの特徴を持たせた商品は好調に推移している。

2017年度のチルド麺市場は金額、食数とも前年割れとなった。食数ベースはコンマ数ポイントの前年割れにとどめたが、金額ベースは1ポイント以上の前年割れとなり、量額ギャップが拡大した形だ。ジャンル別ではうどん、ラーメンが前年並みと健闘したものの、そば、焼そば、冷し中華が2~3ポイント減となり足を引っ張った。

前期の市場について伊地知稔彦日清食品チルド社長は「2017年度のチルド麺市場は相変わらずの低迷期。入り数別のマーケットを見ると、3食は下落に歯止めがかからず、ボリュームゾーンのうどん、焼そば、ラーメンが前年割れ。2食は横ばいだが、うどん、ラーメン、焼そばが伸びており、中でも焼そばの伸びが大きい。1食は、昨年秋から当社が精力的に取り組んだ影響も多分にあるものと自負しているが、右肩上がりだ。今後も1食のマーケットは成長分野と考えている」との認識を示した。

チルド麺市場は過去5年で市場規模が1割以上縮小しているが、食数別で比較した場合、3食が2割弱縮小したのに対し、2食は3~4%増となっており、全体の市場規模が縮小する中、3食から2食へのシフトが急速に進んでいることが分かる。

特に焼そば、ラーメン、うどんで2食へのシフトが顕著となっており、逆に言えば、ここがチルド麺の伸びしろという見方もできる。

2食高付加価値タイプは、「高品質のものを少量」というチルド麺ユーザーのど真ん中である中高年層の支持を受け好調に推移しているほか、フライパンひとつで調理できる“ワンパン”商品の2食タイプは、ネクストユーザーと位置付ける若年主婦層中心に。茹でる必要のない水でほぐすタイプの商品は、老若男女を問わずその簡便性で支持を集めるなど、「(チルド麺ならではの)おいしさ」「時短・簡便」商品が健闘している形だ。

世帯当たりの構成人数が限りなく2(人)に近づく中、今後も人口動態の変化により、3食から2食へという流れが続くものと予想される。全体のパイが縮小する中、トータル食数はさらに減少する可能性もあり得る状況だけに、いかに現代社会のニーズに合致し、付加価値を高めるかが今後の優勝劣敗のカギとなる。

今期は、大手3社(東洋水産、シマダヤ、日清食品チルド)が、2食高付加価値タイプの強化、ワンパン、茹でる必要のない商品に続々チャレンジするなど、既存・新規ユーザーの獲得に向け、間口を拡大する動きを見せる。中堅メーカーを含め、こうした動きの拡大がチルド麺市場再活性化の契機となることは間違いないと見られるだけに、今後の各社の動きが注目される。