スティック粉末飲料 秋冬へ新商品ラッシュ 参入相次ぎ領域拡大

コーヒー、紅茶、ココアなどの粉末を個包装にしたスティック市場が盛り上がりをみせている。トップシェアの味の素AGF社によると市場規模は300億円強。伸びは一時に比べ鈍化したものの、簡便ニーズの高まりや世帯人数の減少に対応して右肩上がりで再活性化の兆しも出始めている。スティックは、家庭から家庭外への持ち運びが簡単で、品質向上やバラエティ化がさらに進むことで幅広い飲用機会が狙える有望市場。この秋冬は、多くのメーカーから意欲作が次々と投下されている。

お茶の総合メーカーで茶葉からスティック・パウダーへと領域を広げて破竹の勢いなのが三井農林の「日東紅茶」ブランド。旗艦の「ロイヤルミルクティー」は昨年、中国人旅行客のインバウンド需要に対応して急伸し今も2ケタ増で拡大している。

秋冬に向けては、同じく好調な「抹茶オーレ」と「ラム香るミルクティー」の2品を軸足にラインアップを拡充。「抹茶オーレ」は、前身商品が宇治抹茶と西尾抹茶を原材料としていたのを宇治抹茶100%使用に変更し、新商品「ほうじ茶オーレ」とともに27日発売開始した。

「ラム香るミルクティー」は「スパイス香るアップルティー」と「ショコラ香るミルクティー」の新商品2品とともにプレミアムインスタントティーとしてシリーズ化し提案強化している。

「C&レモン」などの健康志向のシリーズも好調で、今回、シリーズの機能性イメージをより強化するアイテムとして「カシス&ブルーベリー」を新発売した。

キーコーヒーは、働く母親と高付加価値に着目して紅茶への領域拡大にも挑みながら新商品を投入。シンプルで高級な世界観や自宅内仮想カフェをイメージした「カフェラテ 贅沢仕立て」「カプチーノ 贅沢仕立て」「フルーティーパレット フルーツミックスティー」の3品を9月1日に新発売する。

領域拡大では、味の素AGF社は「ブレンディ」スティックシリーズの「ほうじ茶オレ」と「ブレンディ カフェラトリー」スティックシリーズの「濃厚抹茶」で和茶分野に挑む。

また「カフェラトリー」からは「濃厚抹茶」とともに「芳醇ストロベリーミルクティー」「芳醇ピーチミルクティー」のティー2品と「濃厚ミルクココア」を新発売する。

これに対し、ネスレ日本は「ネスカフェ エクセラ ふわラテ キャラメル」「ネスレ 香るまろやか 抹茶ラテ」「ネスレ 香るまろやか ミルクココア」の大容量タイプを9月14日に新発売する。

味の素AGF社とネスレ日本がともにココアに触手を伸ばす一方、ココアトップメーカーの森永製菓は、20―30代女性のココア新規ユーザーに向けて「スムージーココアスティック」を新発売しココア市場の活性化を図っていく。

スティックの主戦場であるコーヒーでは、スティックの流入元とされる700億円弱規模のインスタントコーヒー(IC)市場が的。味の素AGF社は、ICのパーソナル化のスタンスで、スティック棚ではなくIC棚にアプローチしている。同社は今回、新製法を採用して香りを高めた「〈マキシム〉ファインビター」「同 リフレッシュアロマ」「〈ちょっと贅沢な珈琲店〉PREMIUM SELECT」の3品を新発売した。

今年、スティックブラックコーヒーに本格参入したネスレ日本は「ネスカフェ エクセラ スティック ブラック」と「ネスカフェ ゴールドブレンド スティック ブラック」の大容量2品を新発売し価格攻勢が予想される。

対する味の素AGF社は「即効性として、ある程度、弾力的な価格戦略を取っていく」(品田英明社長)考えで、新技術を導入して品質強化を図るとともに西の生産拠点であるAGF鈴鹿に増設した最新鋭ラインを9月に稼働させる。100万人試飲キャンペーンも予定している。

同社は同社が約6割のシェアを握るスティック事業を最大化させる方針を掲げる。「毎年15%ずつ伸ばさないと到達できない数字だが、予想外に伸びるという野望や夢を含めて『5年後に2倍』という指針を出し全社でその第一歩を始めた」(品田社長)と意欲をのぞかせる。